2016年10月26日水曜日

爆死、火だるま、自律神経不調で風水にも見放され高円寺の駅前でサイケなマイルス・デイヴィスとダンスするのを夢想した夜。


▲11月5日(土)ダンボール・バット企画ライヴ!!
詳細ブログの下です。



 顔にダイナマイト巻き付けて吹っ飛んだジャン・ポール・ベルモントのことを考えていた、柿の種ボリボリ食いながら。宇都宮で自爆して死んだ元自衛官の爆弾男の話がニュースのTOPを飾っていた。なんでも家庭内にトラブルがあったらしいが、そのへんの経緯はニュースをちゃんと聞いていなかったのでよく知らない。ただ自暴自棄の果ての凶行らしいというのは確かなようだ。普段は非常に温厚でまじめな男だったらしいが、そういう手合いのほうが自暴自棄になるとブレーキが利かなくなるんだろうか。
ちょっと前に新幹線で灯油かぶって火だるまになって焼け死んだ男しかり。そういう自暴自棄の阿呆を見るとけして他人事のように思えない。まるで自分の行く末を見せられているようで一方的に連中を責めることが出来ない。苦いツバが口の中にこみあげてくる。巻き添えを食った被害者や遺族には申し訳ないと思うが・・・。

季節の変わり目になると体調がおかしくなる。こと、秋から冬にかけての今頃の時期。体調というか自律神経がおかしくなる。ノドからアゴにかけての筋肉がこわばり「意識しない」とツバが飲み込めなくなるというおかしな症状に見舞われる。前に医者でもらった柴朴湯なる漢方が残っていたんでこの数日飲んでいる。あとは頭のてっぺんのツボを押すと自律神経にイイらしいっていうんで気休めでたまにペコペコ押したりしている。少しはその効き目があるのかどうか知らぬが今日は症状がいくぶん落ち着いている。シゴトが決まらないとか、30周年を迎えるというのにバンド活動になんの明るい話題もないだの、その他もろもろの漠然とした不安がストレスになってそれが季節の変わり目の気候の変化とも重なりオレのヤワな神経を圧迫しているらしい。
今日も大量のスパムのように送られてくる求人サイトからのメールをチェック。1時間も見てるとぐったりしてくる。チェックするのがシゴトだと割り切ってみても疲れる。ムダだと分かっていながらとりあえず1、2件、応募してみる。応募ったってただボタンをポチっと押すだけ。そうするとあらかじめ登録しておいたオレの履歴書だの職務経歴書だのが先方に送られるって仕組み。なんだか虚しい。
うす曇りの窓の外をぼーっと見る。さっきから部屋ん中には小さくマイルス・ディヴィスの「GET UP WITH IT」が流れている。もう、これはジャズではない。サイケデリックだ。いや、ここではないどこか遠い世界、あるいは地底の音楽。非常に混沌としているが妙に落ち着く。こんなの聴いてたらシゴト探しなんて余計どーでもよくなってくる。いや、どーでもよくなっちゃ困るんだけど。
手元にあった先日古本屋でなぜか買ってしまったアラーキーの古い本「男と女の間には写真機がある」などをパラパラめくる。縛られた妊婦の写真だの目の周りが真っ黒の鈴木いづみだのストリップ劇場の踊り子だの天皇陛下の写真などがランダムに目に飛び込んでくる。

突然ですが、風水とか信じますか?ウチのドラマーが風水にはまっていてね、Dr.コパの本とか読んじゃったりしてるのよ。胡散臭いじゃんDr.コパなんて。板東英二と区別つかないもん(笑)。で、ドラムが言うにはこの秋から来年の春にかけてオレの運勢は凄くいいんだっていうのよ、風水的に。ちょっと待ってよ、今、もうどん底なんですけど(笑)。仕事も決まらず年越せるかの瀬戸際なのに。っていうかもともと運勢なんてまったく信じていないし。仮に運勢なんてあったとしても、とうに運から見放されているよ。
なんでも「風水シール」なるものがあるらしい。それを家の中の「鬼門」とされる場所・・・トイレだのベットだのにペタペタ貼っているんだってよ、ドラムのヤツ。そんなんで御利益があるとも思えないけどね。事実、毎週のように「ロト7」を買っているんだけどこれが全く当たんないらしい。前は株もやってたみたいけどこれもダメ(笑)。キャリーオーバーの8億円もいらないからさ、1億円、いや5千万でいいからさ、早いとこ当ててバンド専用のスタジオ建ててくれって言ってんだけど、千円当てるのも大変らしい。神頼みならぬDr.コパ頼みもアテにならぬか。

 
 相変わらず日々ヘンな人々からイイネされたりフォローされたりしているインスタグラム(ちなみに今日のブログに貼ってある写真はオレのインスタ写真です)。自分ちの弁当の写真ばっかりUPされてもなぁ。ヒトんちの弁当の中身とか全然興味ないし。あと、コーヒーの表面に絵を描くのあるでしょ?ラテアートっていうの?それ自体まったく意味不明の行為だけどオレに言わせれば。そんなコーヒーの表面に書かれたハートの模様だとかスヌーピーの絵だとかの写真がダーッと並んでたり。それから、スタバのコーヒーの物撮りばっかしてる奴いるでしょう?(スタバの店員かね?)いちいち「構図」とか考えて撮ってるのが余計イラっとするね(笑)。たかがスタバのコーヒー写すのに構図とか考えないでいいから。で、そんな写真にまたイイネが100個も200個も付くんだよ。ちゃんちゃらおかしな世界でしょ?もうね、そんなんばっか、インスタ。気持ち悪いを通り越しておかしくなってきた。
 なので基本的にあんまり他人のは見ない。辛くなるだけだもん。本当に面白い画像上げてる人ってほんのわずかしかいない。そういう人に出会いたいと思ってたまに探索するんだけど結局出会えたためしがない。焼肉のアップだとか唐揚げだらけの真っ茶色の写真見て気持ち悪くなって止める(笑)。
 かつてこれほどまでに世界中の人々が写真をバシャバシャ撮る時代もなかったわけで・・・と、今のこの時代の流れ、インスタ・ブームを肯定的に言う人もいるけど、ただゴミのような写真が日々量産されるようになっただけというか、勘違い自称・写真家の大量発生を助長しただけのような気がするけど。
 あ、でも今日ね、坂本龍一とかアート・リンゼイなんかとも交流のある人にフォローされたんだよ。何かの間違えだと思うけど(笑)。恐らくこの動画▼をインスタにUPしたんで、それをたまたまその人が観て面白がってフォローしてくれたんだろうね。これ、坂本龍一のジャケのパクリだからさ。なので「フォローありがとございます。by 高円寺の坂本龍一より」って、メッセージ送っておいた(笑)


 そういえば、上の動画でも告知しているダンボール・バット結成30周年記念限定シングルレコードの発売計画はどーなってんだよってことよね?2017年発売ってなってるけど、2017年のいつよ?ってことよね。たしかに資金面で苦しいのは事実。なんせビンボーバンドなうえにオレ無職だし、他のメンバーだって正社員で働いてるやつ誰もいなしどーやって食ってんだか未だ分かんないやつもいるし(笑)、とにかく金がない。最近、10円玉落ちていないか下向いて道路歩いてるもん。歩きスマホならぬ歩き小銭拾い(笑)。まったくバンド30年もやってるのにたかがシングルレコードの2~300枚程度作る金もない。協力してくれるレーベルもスポンサーもいない。情けなくて涙も出ない。孤高のバンドは辛いよ。
 まあ、資金はサラ金で借りるなりしてなんとかするとして、実は収録する曲をどーするか未だ踏ん切りがつかず悩んでいる。なにせA面、B面で2曲しか入らんからね。ちょっと前のブログでは、A面に新曲「秋は北京で」を入れて、B面には同じく新曲の「ロンサム・カウボーイOK?」を入れようと思っていたのだが、録音のクオリティがイマイチだったので、その代わりに去年出したアルバムのタイトルトラックである「壊れたカセットはAOR」のミックス違いを収録することに変更した、と書いた。もう告知CMも作っちゃったしA面に「秋は北京で」を入れることは確定しているのだが、問題はB面。
 実は、去年の暮ぐらいにドラムとベースだけ録って放置していた音源がある。最近ライヴでやっている「BAD CITY」という3分ちょっとのまさにシングルB面的なコンパクトにまとまった曲で、1980年前後のストラングラーズをバックに歌う近田春夫っていう(笑)、また、オレのマニアックで分かりづらいコンセプトのもとに書いた曲なのだが。で、当初それをレコードに入れる案もあったのだが、素の状態でのドラムとベースを聴いた段階ではそれを音源化するにはちょっとプレーが荒過ぎるのでは?という判断から放置したままだったのだ。が、先日久々にそれを引っ張り出してきて聴いてみたら悪くないのよ。気になっていた「荒さ」もなんだかいい意味で「勢い」につながっているように感じて。まさに1979年頃のパンク・ニューウェイヴ期のレコードの風合いなのだ。これはこれでアリなんじゃないかって急に気が変わり、急きょ、シンセやギターを重ねた。歌もリハなし編集なしの一発録りで重ねた。そうしたら、なんかめちゃくちゃチャーミングな音に仕上がったのだ。
 ドラムのヤツは自分のプレーがやっぱりちょっと荒いと気にしているが、ベースのヤツに至っては今まで録音したベースの中では最高のデキだと言って気に入ってる。うむ、オレもこれをレコードで聴きたい欲求がムクムク沸き上がってきたのだ、先週あたりから。さあ、どうしよう。B面はこっちでいくか。「壊れた・・・」もレコードで聴いてみたいけどやっぱり気分的には両面新曲でイキたいっていう思いが強い。そう、オレは優柔不断な男なのだ。二者選択が決められない。昼飯何食うかっていう日常のささいなことから恋愛まで(笑)。もうちょっとだけ悩ませてくれ。いずれにせよレコードにはダウンロードコードを付けてネットからDL出来るような仕様にしようと思っているんで、「壊れた・・・」は、ボーナストラックとして別枠でダウンロードできるようにしておく、っていう手もあるしね。

 最後にライヴの告知を。

来週の土曜日11月5日に、JR高円寺の駅のそばのグレインって店でダンボール・バット企画のライヴがあるんだけど(詳細はブログの下)、なんとその前に高円寺駅前での屋外ライヴがあるんだよ、しかも真っ昼間に。今度の土曜日29日。毎年この時期開催される「高円寺フェス」って商店街のイヴェント。今年が十周年なんだそうだ。オレは別に出たくもないんだけど決まっちゃったからやるだけ。こんなこと高円寺フェスの実行委員会が読んだら怒るだろうね。だって本当のことだもん(笑)。PA設備が最悪なんだよ。音楽のことなんにもわかってないヤツが担当者らしく、当初、マイクも無いかもとか言い出す始末で、大槻ケンヂだのみうらじゅん(同じ日に別会場でトークイヴェントがあるらしい)にはマイクあるけどウチらみたいな下っ端にはマイクも無いのかと腹立ったんだけど、まあマイクはなんとか用意したみたい。でもアンプもドラムも無いらしく全部持ってゆかなきゃならない。そのうえ、あんまりデカイ音出されちゃ困るみたいなことまで言うからね、それまでしてやる意味があるのかとも思うのだが、こっそりフェスに応募したウチのドラム曰く「フジロックへの布石としてやりましょう!」とヘラヘラ笑ってる。分かったような分からないような理屈だな(笑)。バンド結成30周年にして初の「屋外ライヴ」は今から波乱の予感。「じゃがたら」の横浜寿町(日雇い労働者の街)での伝説の屋外フリーライヴの混沌とした映像が脳裏をよぎる。今週の週間天気予報によれば午前中まで「雨」の予報。さすが雨男だよ、オレ。ウチの出番は14時からだそう。高円寺駅南口駅前ロータリーだよ。興味のある方はこっそり覗きに来てヤジ飛ばすのもアリ。素っ裸で踊ってくれるのもアリ。だが、できれば翌週の11月5日(土)のライヴのほうに来ていただきたい。音もそっちのほうがイイに決まっているし、新作Tシャツや、新作CD-R、オレのデザインしたポストカードなどの販売もある。最新の新曲もやるし、新たな珍カバーにも挑戦なのだ。まあ、ヒマな人は両方来てくれても有り難い。




▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。



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今夜のBGM


Bill Bruford - Back to the Beginning. Vocals: Annette Peacock(’79)
プログレ界のツワモノどもをバックに物怖じせずクールに歌うアーネット・ピーコックの知的なエロ可愛さにハートを撃ち抜かれました。ジェーン・バーキンなんて目じゃないッス。悪戯されたい。

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【ダンボール・バット】ライヴ

10月29日(土)@JR高円寺駅前南口広場
          「高円寺フェス」 PM14時~
http://koenjifes.jp/
毎年恒例の高円寺フェスに初参戦!!
ダンボール・バット初の屋外イヴェント!!
たぶんヘロヘロなステージを予想!!

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11月5日(土)@高円寺GRAIN
※JR高円寺駅より徒歩2分。仲通り商店街入ってスグ右手。
1Fが「成都」という中華屋の2Fです。
http://grain-kouenji.jp/

DANBALL BAT企画
「爆裂!土曜音楽館3」
~香港とジョージアから来た男たち女たち~

※ダンボール・バット新作Tシャツ、新作レアCD-R、ポストカード等販売あり。
新曲、新カバー投入。ぜひ。

共演:GEORGIA ON MY MINDS(Vo:コン カオリ)

開場PM7:00 開演PM7:30
料金:当日券のみ¥2000+drink代



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ダンボール・バットの最新アルバム
「壊れたカセットはAOR」
お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。
店頭になき場合は通販もいたしますので
お問合せください。

デイスクユニオン
アマゾン
タワーレコード
名古屋市今池「ワイルドハニー」
京都市「100000tアローントコ」
沖縄「CD屋」の店頭&通販
京都「トランスポップ・ギャラリー」
東京・中野の「タコシェ」
高円寺「円盤」
JET SET RECORDHMV、他でも販売中!



    「壊れたカセットはAOR」/
ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)
全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから

2016年10月14日金曜日

ダシの効きすぎた「ラジオスターの悲劇」を聴きながら今日も喫茶店で死んでるオレがインスタで胸焼けを起こした夜。


▲エセ・グラフィックデザイナーのAMIです。
チラシつくりました。
今年最後のライヴです、多分。
ダンボール・バット企画!ぜひ!
※当日券のみのイベントです。詳細はブログの下に。





 
 寒空の下、西荻窪のケモノ道を徘徊中に得体の知れぬ強力な磁場に引き寄せられその店内に瞬く間に吸い込まれてしまった俺は誘蛾灯に捕らえられた一匹の蛾。店の名は「ビーイン」。この凶悪なまでの場末感を俺の拙い写真でお伝えできないのが口惜しい。喫茶店の本来あるべき姿とはこういう空間のことじゃなかったのか。スタバ?そんな府抜けた名前出さないでくれ。とにもかくにもここはまるで墓場のような空間だが妙に心落ち着くのはどうしてか?俺がすでに死んだ人間だからだろうか?すきま風に乗ってユパンキの爪弾く枯れたギターが聴こえてきそうな、それこそアンデス山脈の山腹とかに建っていてもおかしくないようなこの1972年の開店以来この地で風雨にさらされ続けた建物の醸し出すどーにも人間臭い佇まい。時間はとっくの昔に止まったままだ。この空間に時間の概念は無い、というか不要。偶然遭遇してしまった西荻窪の露地裏の魔窟で小倉久寛を更に小型化したような頑固そうな店主がいれてくれた炭火焼コーヒー(席まで店主自らがサイフォンを持ってきてカップに注いでくれるという本格派)をすすってみれば、もはやロシア・アヴァンギャルドと化した壁のポスターの原色がむせび泣く。俺は今、茶色の壁と同化しつつある。ピラフを炒める匂いとタバコのケムリと埃臭いような温かい湿り気に包まれて。そして、TVの音にかき消されそうに小さく流れる店内のBGMは今まさに「ボーン・イン・ザ・USA」。なぜにこのタイミングで?(笑)さらに、プリンス「レッツ・ゴー・クレイジー」、バグルズ「ラジオスターの悲劇」と80sクラシックが続く。「ラジオスターの悲劇」といえば元々が名曲であるが、この曲がこんなに心に染みたのは人生において今日が一番だったかもしれぬ。この墓場には、どんな歌をも許容し、さらに歌のコクを倍加させる魔力があるのかもしれぬ。ごちそうさまでした。心の洗濯完了。

というわけで、いまだシゴト決まらずうらぶれた喫茶店なぞをまっ昼間っからほっつき歩いている。7月末からシゴトを探し出して今のところ20数件の求人に応募したが箸にも棒にも引っ掛からぬ。なめられたものだ。一応、グラフィック・ソフトが使える仕事でさらに未経験OKと書かれた求人を中心に応募してはいるのだが、実務経験もないこんなオッサンにシゴトなんかねぇーとよ。未経験OKってぇのはあくまで若者に対してのことであってオッサンならそれ相応の経験があってしかるべきってことなんだろう。そのほとんどが面接にすら辿りつけぬ。人も見ずに年齢だの上っ面の経験だけで切り捨てにかかる。それがこの社会の現実だ。
おまけに求人サイトに4つも5つも登録したもんだから毎日数十数百の求人情報が嫌がらせのようにメールで送られてくる。全部見ていたら多分1日がかりの量だ。目ぼしそうなものだけに当たりをつけてパッパッと見てゆくのだがこれが結構な根気がいる。そしてだいたいが徒労に終わる。ちょっと良さそうだなと思うと勤務地が地の果てのような場所だったり、実務経験何年以上とか、聞いたことも触ったこともないソフトのスキルを要求されたり、残業時間が月30時間だとか(月30時間なんて残業のうちに入らねぇよとおっしゃる向きもあろうが・・・)、20代から30代前半の若いスタッフが活躍中の職場でぇ~すなどとあからさまにオッサンを排除しているのが見え見えだったり・・・エトセトラ。そんな中から応募できそうなものを探し出すのだが、それはまさにスモーキーマウンテン(ゴミの山)の中から落してしまったコンタクトレンズを探し出すような試練である。最近それがなんだか非常に無駄な時間に思えてきた。もちろんシゴトは探さなきゃまずいんだが。
 さらにオレを苦しめるのが、そんな悶々とした気分でインスタだのフェイスブックなどを見てると常盤(響)さんが今日もキレイなデルモのチャンネェにキワドイ水着を着せてエロっちいポーズとらせて撮った写真が流れてくる。やりきれんわ、もう!!(笑)と、ちゃぶ台をひっくり返す。まあ、響(呼び捨て!)・・・金持ってんだろうしモテるんだろうしな、比べるだけ阿呆と分かってはいるのだが、虚しさだけがオレの中で風船のようにどんどん膨らんでゆく。
 ああ、オレはどーなるんだろうか。シゴトが決まって歳を越せるんだろうか?(働かなくていいんならもちろん一生働きたくなどないが!!) 世の中、クリスマスケーキの予約だのオセチがどーしただの、なんだか早くも年末のそわそわ感が漂い始めている。そろそろ職種を選んでいる時間の余裕もなくなってきた。ああ、オレにあと少しの才能と運があったら、音楽で、文章で、写真で、少しは生活の糧の足しになるぐらいのいくばくかの銭ぐらい得られたかもしれぬ。が、なにを言っても負け犬の遠吠えにしか聞こえぬ。川谷拓三が歌うセンチメンタルな「負け犬のブルース」がオレの耳の奥で静かに鳴っている。
 
 仕事も決まらないのに、喫茶店などで呆けている場合いではないが、シゴト探しの合間になぜか喫茶店巡りが日課のようになってしまった・・・いや、逆か(笑)。喫茶店巡りの間にシゴト探ししてるんか?いや、別に日課というほど行ってはいないよ。マックやコンビニでなら100円で飲めるものを無職の身でコーヒー1杯500円はけして安くないし、ちょっと遠征するとなれば電車賃もかかるしね。でもたしかに以前に比べればここ最近オレの喫茶店探訪率が上がっているのは確か。せいぜい近所の名曲喫茶にたまに行くぐらいだったオレが、なんで喫茶店へ通うようになったかっていえば、そうね、今年の7月まで通っていた例のWEBの訓練校の友達連中と学校帰りに喫茶店に通うようになったのがきっかけだろうね。わざわざネットで場末な店を探してコーヒーを飲みに行ってた。で、その時の様子をいろいろ写真に撮ってインスタにUPすんのが楽しくなってね(笑)。それまではレストランとかでいちいち出てきた食べ物の写真撮ってるヤツを横目で見ながら馬鹿じゃないの?なんてずっと小馬鹿にしてたんだけどいざ自分がやってみると楽しくて(笑)。撮りたくなる気持ち、わかるよ。などと共感する始末。学校帰りに行くのはいつも男だけのチームだったけど、ケーキセットなんてのを頼んでね、それぞれ種類の違うケーキを頼んでちょっとづつ交換したりして、それを写真撮って、もう、女子会みたいな(笑)。完全に馬鹿。
で、撮った写真の色味だとか構図なんかをちょっと調整して、それからその場でキャプションを考えるのがまた楽しい。オレは写真よりもキャプションを考えることに力を注ぐ(笑)。文章を考える鍛錬にもなるしね。
それはそうと、見ず知らずの他人のインスタ眺めてもなんか心にガツンと来る写真がほとんどない。綺麗な写真はあってもなんか薄っぺらいんだよ。偽善っぽいっていうか。ロクでもない写真ばっかだよ、9割は。インスタにそこまで求めるほうが間違っているんだろうけど、「いい意味でのロクでもない」じゃなくて「悪い意味でのロクでもない」写真ばっか。ただ単にオレの趣味嗜好や価値観やセンスと合わないだけなんだろうけど、インスタの写真見てると世の中の大半の人間とオレはやっぱりウマが合わないんだな、やっぱハグレ者なんだなってのを実感する。
毎年この時期になるとノーベル文学賞を今年こそ村上春樹がとっちまうんじゃないかと文学好きの友人と戦々恐々としているわけだけど、今年はまさかのボブ・ディランが受賞ってことで(直枝さんおめでとうございます!!笑)、ボブ・ディランが受賞したという意外性に対する驚きよりも村上春樹が今年も無事に賞を逃してくれたことへの安堵でその友人とそっと胸をなでおろしたところなんだけど、こともあろうに、夕べオレのインスタをフォローしてきたヤツのプロフィール見たら村上春樹の大ファンの文字が目に入り(笑)ガックリしたのを思い出した。オレが毎年ノーベル賞の時期にそんなことを考えているなんていうことをそいつは当然知る由もないんだろうが、しかし、なんでそんな奴にフォローされるのか理由が分からない。まあ、勝手にしてくれ。
とにかくヘンなヤツだらけだよ、インスタ(笑)。空だの花の写真に自己啓発的な言葉を合成した写真ばっかり連投してる奴とか、胸焼けするような料理の写真で埋め尽くしてる奴とか、副業で何百万稼ぎましたとかのたまう起業家とか、イルミネーションの夜景ばっか撮って悦に入ってるプロカメラマン気取りの勘違い野郎に、東野圭吾の大ファン、国籍不明の外国人、スタバのコーヒーばっか物撮りしてる阿呆とかエトセトラ。そんなけったいな人たち、というか、オレの趣味趣向と鼻毛ほどの接点も見いだせないような人たちからフォローされたりイイネ!されたりして薄気味悪くも可笑しな素晴らしいインスタグラムの世界。あなたも覗いてみませんか?
ちなみにオレの写真は少々しょっぱ目。キャプションも普通の人はせいぜい一言二言なのに、長文(笑)。だから、覗きに来た奴からすればヘンな奴に思われているんだろうね。写真投稿数の割にはイイネもほとんどされないし。まあ、いいよ、あんまりおかしな連中と関わりたくないし。一般ピープルが一番ヘンっていうのがインスタを始めて一番オレが実感したこと。オレの「ヘンさ」の比じゃない。

 
 さて、喫茶店に話を戻す。オレが訪ねるのはいわゆる純喫茶と呼ばれる類の店だ。ただの喫茶店と純喫茶の正確な線引きはオレにははっきりわからぬが、うらぶれてて場末感が高くて銀の皿に乗ったナポリタンだのメロンソーダが出てくるような昭和の遺構のような店を称して純喫茶と言うのだとオレの中では理解している。うらぶれ具合、場末感が高ければ高いほど有難いしオレの琴線を震わす(笑)。メニューの味は二の次だ。美味い店もあるし、激マズの店にも遭遇したが、そのマズさも含めてが純喫茶の存在意義だと思う。すでに絶滅危惧種のこれらの店。消滅する前にもう少し訪ねて歩きたいと思う。世の中ひょっとして純喫茶がプチ・ブームなのだろうか?それらの店をレポートしたブログや本がけっこう散見される。が、だいたいが上っ面のコクも面白味も無い文章のものが多い。オレもそんな本を出せればいいな、などと、夢想するも、たぶんオレの汚い文章、出版社がOK出すハズがないな、と、苦笑い。まあ、いいさ。自分が本を出したらという想定で架空の表紙を作ってみた(上の写真)。発売は「主婦の友社」から(笑)。
 最後に、先日行った名曲喫茶レポートで今日のブログを閉じる。

初上陸、本郷三丁目の名曲喫茶「麦」。地下に広がる昭和の遺構、阿片窟。ヤニ茶けた空間に、所望したメロンソーダ(400)の緑が映えるもソーダ感(炭酸感)ゼロでひたすらに甘ったるい。名曲喫茶とうたってはいるが誰も音楽に耳を傾けている者なし。かかっている曲もクラシックには違いないが節操がない。大声で競馬の話に興じるジジイ二人連れ。ロレツの回らないままキャバクラの話で盛り上がる眼光鋭いオッサン。それに対してケラケラと素っ頓狂な声でひたすら笑って女の口説き方を講釈する阿呆。 巨大な虫眼鏡で新聞を隅々まで喰い入るように読み続けるくたびれたサラリーマン風、etc。この雑多な感じが、このやさぐれ感が本郷なのか?高円寺の名曲喫茶とは明らかに空気が違う。色あせた油絵。顔を見ても誰だか判別できぬ作曲家の肖像画。小学校の時の音楽室を思い出す。そんな阿片窟に似つかわしくない若いウェイトレスのおネェちゃんのピチピチのジーンズのお尻を天井からぶら下がる玉暖簾(たまのれん)越しにチラ見しながらソーダに浮かんたチェリーの赤が目に染みたのであった。帰りに粋なデザインのマッチをいただき店を後にした。






▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。



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今夜のBGM


ディスコ3000って(笑)。78年という時代を考えればかのサン・ラがディスコに触発されたしてもおかしくはないがやっぱりそこはサン・ラ。ぜんぜん踊れないディスコだよ。ピラミッドのてっぺんで踊るタコ踊り。夜明けは遠い。




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【ダンボール・バット】ライヴ

10月29日(土)@JR高円寺駅前南口広場
          「高円寺フェス」 PM14時~
http://koenjifes.jp/
毎年恒例の高円寺フェスに初参戦!!
ダンボール・バット初の屋外イヴェント!!
たぶんヘロヘロなステージを予想!!

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11月5日(土)@高円寺GRAIN
※JR高円寺駅より徒歩2分。仲通り商店街入ってスグ右手。
1Fが「成都」という中華屋の2Fです。
http://grain-kouenji.jp/

DANBALL BAT企画
「爆裂!土曜音楽館3」
~香港とジョージアから来た男たち女たち~

共演:GEORGIA ON MY MINDS(Vo:コン カオリ)

開場PM7:00 開演PM7:30
料金:当日券のみ¥2000+drink代



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ダンボール・バットの最新アルバム
「壊れたカセットはAOR」
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    「壊れたカセットはAOR」/
ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)
全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>


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2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから

2016年10月4日火曜日

浅草激マズのパスタにアダモも濡れて千のナイフ全身に刺して血みどろで教授にラブコールを送った夜。

▲10月9日(日)西荻窪でのイヴェントの出演します。
詳細はブログの下に。
 


 
 友人で蜂鳥あみ太という全身網タイツで妙なシャンソンを歌う男がいるのだが、その蜂鳥あみ太とオレとで始めたユニットが「AMI=あみ太」だ。始めたといえば大げさだが。オレがダンボール・バットとは別にここ何年かやっている「ネオン警察」という唄とピアノの二人だけの・・・早川義夫を煮詰めてその沈殿物だけを取り出したようなドン暗なユニット(現在開店休業中)と、あみ太とで何度か一緒にライヴをやったことがあり、そのイベントの最後に毎回ほんの余興のつもりでオレが作ったカラオケに合わせて二人でシャンソンを絶唱するというなんの内容もないユニットだ。インダストリアル・シャンソン・ユニットなるネーミングを付けたのはあみ太。オレの作るチープ極まりないテロテロなオケの音がまあ、仮にもスロッビング・グリッスル辺りを想起させるっていうんなら、まあ、インダストリアルって呼び名も間違えではないかもしれないが、インダストリアルを名乗るほどの思想も哲学もなにもない。だって、そもそも歌うのはかのアダモの「雪が降る」だの「サントワ・マミー」だもの。いや、アダモを馬鹿にしているわけじゃないよ、誤解のないように。正統派の(?)のシャンソン歌手やら、音楽通、昨今の若者らからは、ろくに評価されもせず、どちらかといえば鼻つまみモノ扱いのイメージのアダモだけど、オレはあの人の才能を認めているよ。10年ぐらい前、学芸大学の今は亡き中華料理屋でかかっていたヨレヨレのアダモのテープに衝撃を受けて以来のファンだよ、オレは。いい曲いっぱいあるしな。60年代当時、奥様方を中心に日本でも大人気だったアダモ。もしかして世界中で一番日本でのセールスが良かったんではないだろうか?たくさんのベスト盤をはじめアダモのレコードは中古盤屋でよく目にするが、だいたいゴミ扱い。300円以下で軒先に雨ざらしになっている。フレンチ・ポップはおろか、下手すりゃシャンソンのコーナーにさえも入れてもらえないアダモ。ユニオンあたりじゃ買い取ってもくれないだろう。ジャック・ブレルは相応の値段が付きアダモはカス扱いとは解せぬ。シャンソン時代のゲンズブールは高価だがアダモはゴミ、というのも解せぬ。オレはブレルもゲンズブールも敬愛しているし彼らのカリスマ性も認めるが、それに比べてちょっと可哀そうだよアダモ。え?ああ、ここでアダモについて講釈を垂れるつもりはないのでこのへんで端折るけど、とにかく「アダモのカバー」に特化した(?)ただの余興ユニットだったのだが、オレがこのユニットのためにオリジナル曲を書いたのがイケなかったのか(笑)、PVまで作るハメになるし、ちょっとマジな感じになっちゃって、とうとう前月の末、知人のイヴェントに誘われて持ち時間30分のフルステージをやることになってしまったのだった。ライヴ直前に出来た「赤道」というタイトルの荘厳なオリジナル曲(ちなみにこのタイトルはゲンズブールが撮った映画「赤道」からのインスピレーション・・・と言っても映画は見ていないが(笑))を加え、それでも持ち曲は5曲。30分持たない計算。仕方なしにライヴ前日に、ネオン警察の曲で、あみ太とも一緒に歌ったことがある「猿が見ていた」という曲があるのだが、それをカラオケ化、慌ててオケを作りなんとか6曲確保でステージに臨んだのであった。
 結果は惨憺たるものだった(笑)。こともあろうにイヴェントのトリという重責に押しつぶされたわけでもあるまいが、この日我々の初フルステージはなんとも苦々しい思い出となった。機械故障のためヴォーカルにリヴァーヴが全くかけられないだの、モニターがよく聞こえないだのといったハード面でのトラブルもあったにはあったが、それよりなにより会場の雰囲気が全くつかめなかったし、客のほうもどう反応していいのか分からない様子だった。ステージと客席の間に広がる闇がいつになく深くて広大に感じられた。深海でクラゲを相手に歌っているような、言葉の全く通じない異国の酒場でライヴをやっているような感じだった。オレはもともとMCはダメだから、しゃべりはいつも饒舌(じょうぜつ)なあみ太にまかせっきりなのだが、そのあみ太のMCでさえも空回り気味で「今日は、ホントきつかった!」と、ライヴ後に連発していた。オレも酒を入れてステージに上がったんだが、ものの5分で酔いが醒めてしまった。まあ、こんなもんをマジでやろうとするのがそもそも間違えだったのかもしれない(笑)。今回は、この日DJでレコードを回していた郷氏もサンプラーを駆使してDJブースから我々のステージに2曲ほど参加してくれたのだが、「この3人でまたいつかリベンジしましょう!!」と、悔しそうに地団太を踏むあみ太に郷氏も乗り気。オレは・・・まあ、どっちでも(笑)。いや、やればやったで楽しいんだけどね。
 というわけで、AMI=あみ太の次回ライヴはあるんだろうか?以前、あみ太がイヴェントで一緒になったらしいのだが、AMI=あみ太のデモCDを、こともあろうにかのケラ氏(有頂天)に渡したらしい。「ああ、ダンボール・バット、知ってる、知ってる」と渡したときのケラ氏の反応は良かったらしいのだが、当然ケラ氏からはそれ以降音沙汰は何もない。まあ当然のことだろうが。


追伸:
この日ライヴをやったのは浅草だった。数年ぶりの浅草上陸。間近にはスカイツリーがそそり立つ。いくら街が整備され表向きはキレイになったといっても駅を一歩出た途端、観光スポットから一歩横道に逸れた途端に空気が激変するのが分かる。得も言えぬ妖気のような霊気のような電波のようなものが今も淀みのように街を覆っている。やっぱりディープな街だった。かつて高円寺も日本のインドなどと呼ばれていた時代もあったが、今じゃすっかり浄化されてしまいアクも風情も無くなってしまったが、浅草こそは日本のインドを名乗る資格があるんじゃないだろうかと確信した。オレにカメラを持たせて1か月もあの辺りを放浪させてくれ。恐らく、藤原新也のインド紀行の写真集に肉薄する写真集が出来るような気さえする。リハが終わったあと、あみ太と郷氏と3人で吸い込まれるように入ったライブハウス近くの怪しげな純喫茶、その名も「ペガサス」で頼んだピラフ、スパゲティの激マズさが強烈であったことを最後に付け加えておく。店内のデカいTVじゃ相撲中継。後ろのテーブルにはヤクザ二人組。店の爺さんと婆さんは愛想ゼロ。うむ。浅草モナムール。

 
 

 ここで話は変わる。きのう、フェイスブックとツイッターでもう公開しちゃったんで、ブログでも公開することに。今、ダンボール・バットは結成30周年記念の7インチ・レコードを出そうっていうんで録音作業をやってて、それもだいぶ大詰めになって来ているんだけど、なぜかジャケだけとっくに出来上がっていたのだ。それが、コレ▲。わかる人には思わず吹き出すくらい反応してもらえるんじゃないかと思うんだけど、わかんないひとは元画像をググってください。実はこれ、かの坂本龍一が78年にリリースした「千のナイフ」ってその筋では有名なソロアルバムがあって、それへのオマージュ・・・というか単なる言い掛かり的なパクリジャケなの。レコード完成したら教授(坂本龍一)に送りつけようかと思っているんだけど名誉棄損で訴えられそうだな(笑)。ほんとうは、同じ教授絡みの「サマー・ナーヴァス」のジャケのほうにも惹かれていたのだけど、今回の曲調からいってこっちのほうが合ってるだろうと思ってこっちにした。いつかこのジャケを再現してみたかったの(笑)。ただそれだけなんだけど。
で、最初、家の風呂場で撮ろうと思って泡の出る入浴剤まで買ったんだけど、いろいろ不具合が多すぎて断念(笑)。結局、最新の合成技術を駆使して、「オレ」「浴槽」「泡」「タイル」「蛇口」等々の写真素材をバラバラに集めてきて切り抜いてくっつけ合わせたのがこの結果。まあ、悪くないでしょ?篠山紀信もびっくりだね。
結局悩んだ挙句に「秋は北京で」を事実上A面にすることにした。やっぱり新曲のほうをA面にしたほうがいいんじゃないかって結論に達したから。とはいえ、もう一曲の「壊れたカセットはAOR」(昨年リリースしたアルバムのタイトルトラック。今回収録のものはアルバムとは若干のヴァージョン違い)をA面にしたいって気持ちもまだ残ってるので、昔よくあった両A面仕様(ふつう、シングルレコードはA面にヒットさせたい一押しの曲を入れ、B面にはパっとしないいわゆる<捨て曲>と呼ばれるような曲が入れられることが多かったが、両面とも売り出したいというレコード会社の戦略の下、A,B面ともに一押しの曲を収録して売り出す<両A面仕様>というのが時々あった)ってことにして、ジャケットもちゃんと両面付けることにした。なので、この「秋は北京で」のニセ「千のナイフ」が表ジャケだとすれば、「壊れたカセットはAOR」側の裏ジャケが存在するのだが、これがまた大御所に訴えられそうなヒドいデザイン(パクリ)のジャケで、その出来具合にひとりほくそ笑んでいるのだが、こちらの公開はもうちょい先にしようっと。こっちのジャケのほうが一般的には反応してもらえそうなんだけど。だってあの有名ジャケだもん(笑)。さらに実は内ジャケまでもが既に完成しているのだが、これはもう買ってからのお楽しみということで公開はしないことに。オレの合成技術の集大成。ヴァージン・レコードから訴えられそう!!これがヒント(笑)。
そして、本日、件の「秋は北京で」の歌入れをやってきた。近所のスタジオにボロ機材持ち込んでマイクと向かい合い孤独との闘い。いや、それは大げさだけど、当然プロデューサーもエンジニアもいないからね、OKテイクを出すのは(決めるのは)自分。このジャッジが結構難しいんだよね。
今日はいつも歌入れに使っている自前のチープなコンデンサ・マイクを持って行ったんだけど、これがなぜかジージーとノイズを発生しやがって全く使い物にならない始末。まあ、普通コンデンサ・マイクと呼ばれるモノ、安くても3万以上はするのだが、この中国製のニセ・コンデンサ・マイクは確か新品なのに5千円もしなかったはず。コンデンサの代わりにワラとか土でも入っているんじゃなかろうかって安さだ。たいして使ってもいないがとうとうというか案の定ぶっ壊れたようだ。仕方なくスタジオでマイクを借りることに。実は前から試したいと思っていたマイクがあったのでそれを試すことにした。それは、老舗メーカー、センハイザーのMD441っていう四角形のマイク(上の写真の中で右からニュッと突き出している四角いのがそのマイク)。コンデンサ・マイクではなくダイナミックマイクなのだが、たしか市価11万円ぐらいするマイクなのだ。まあ、マイクなんて上を見れば何十万円もするのなんていくらでもあるわけで11万円なんてのは安いほうなのかもしれないが、普段、1万円以下(家でデモ録る時なんて千円のカラオケマイクだよ!)のマイクしか使う機会がないオレとしてはなんだか手にするだけで恐ろしい(いやだね、ビンボー人は!)。
で、いよいよ録音の段になったのだが、何度か試し録りをするも、なんか声がヘンにしか録れないのだ。なんというか、ラジオから聞こえる歌声のようなのだ。低域が足りないようなシャリシャリした声なのだ。おかしいな、イコライザーもなにもかけていないのに、と、マイクの角度を変えたりしながらさらに歌ってみるのだが、一向に変わらない。うむ。いいマイクとは得てしてこういう音で録れるものなのだろうか、と、危うく自分を納得させてしまうところだったが、どうにも納得がゆかず、ネットで必死に検索してみたところ、音がヘンに録れる原因がやっと判明。なんともマイク本体にトーンコントロールスイッチの類が2つも付いているのだという。フツーのマイクではあり得ない機能だ。しかし、裏表ひっくり返してみてもそんなスイッチ一向に見つからず、時間は過ぎてゆくばかり。ヘンな汗が出てくる。それでも執拗にくまなく捜しているとマイクの根元の部分にツマヨウジでつつかなければ切り替えられないような小さなスイッチらしき突起物を2個発見。おおっ!と感動しながら、そいつを爪の先でカチカチクリクリいじって何度かやっているうちにようやく自分の普段の声が聴こえるようになった。どうやらもともとナレーション収録用に開発された高性能マイクらしく手元で声の不明瞭さを解消できるようにそんな機能(低域の”こもり”をカットする機能)が付けられているのだという。うむ。ひとつ勉強になったよ、トッド(・ラングレン)。
 さて、肝心の録音した声はどんなもんかいな?というと、なんともナマナマしい声なのだ。ナマナマしいのだが適度に丸みがあるので嫌味がない。そのまんまと言おうか、ナチュラルな声。うむ。これが11万円の威力なのだろうか。いや、ただの気のせいかもしれぬが、「気のせい」というのもあながち馬鹿にはできぬ。次回、また歌を録る時には是非コイツの世話になりたい、と思う。
よし、あとはミックスして完成。ダンボール・バットで長年キーボード弾いてもらってたROSEなんかも久々にスタジオに来てもらってアヤコやドラムのヒロエらと一緒に先日コーラス録りも済ませ、その後、ヴォコーダーなんかも重ねてみたら、胡散臭さと哀愁加減が倍加しイイ具合にヤニ茶けてきた。裏面が出来損ないのAORで、表が時代錯誤のミュンヘン・ディスコ。このとりとめのなさがダンボール・バットなんだと思うが、そのとりとめのなさのせいでいつまでたっても世間一般に理解されないのだと思う。
 嗚呼、一刻も早く教授に聴いてもらいてぇ。聴いてもらえるハズもないが。そして、裏面のジャケの元ネタになっているアノ人にも聴いてもらいてぇ。聴いてもらえるハズもないけどとりあえず心の中で口ずさむ、ラ~イド・オン・タ~イム♪・・・と。あ、ヒント言っちゃった(笑)。



さて、ダンボール・バットは今月の末、29日(土)になんと地元高円寺の毎年恒例の商店街企画による一大イベント【高円寺フェス(10周年記念!)】に成り行き上(笑)出場することになった。結成30年目にして初の屋外ライヴ!!フジロック出場を目指すダンボール・バットとしては、まずはこの高円寺フェスを前哨戦と捉え心して参加する所存。高円寺駅前南口広場(ロータリー)で14時からの演奏だそう。ひぇ~、真っ昼間の日の光に当たってバターのように溶けなきゃいいが。当然、お代はタダ。冷やかし歓迎。お手柔らかに。
あ、そのまえに、今度の日曜日は西荻窪にてなぜかガレージバンドのイベントのアウェイ参戦。エド・ウッズだのキング・ランブルだの手ごわそうな連中に混じってへっぴり腰でライヴやってきます。お時間ある方はぜひ。新作Tシャツも売ります。ご来場の方にはLPレコード・プレゼントだそうです。よしなに。




▽ダンボール・バットの新作Tシャツ販売開始!(画:福沢光成子さん)
当面はライヴ会場のみの販売です。各種サイズあり。
色:生成り。¥2000。ぜひ。



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今夜のBGM


「Tehillim」/Steve Reich

ミニマルミュージックの巨星、ライヒが来年3月にオペラシティで来日公演をやるというニュースをついさっき知り衝撃中!!この曲も演奏予定曲目に入っていた。オレの好きな1曲である。さあ、どうする!?




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【ダンボール・バット】ライヴ

10月9日(日)@西荻窪PIT-BAR
http://ameblo.jp/pitbar


NISHI-OGI RIOT CITY BLUES presents
【OKTOBER FEAST】

ガレージロック系のイヴェントになぜか呼ばれて
アウェイ参戦します!!

出演順
①ガジロ
②アカイメARTS
③KING RUMBLE
④ED WOODS
⑤ダンボール・バット

DJあり

前¥1800 当¥2300

PM5:00 OPEN/PM5:30 START
※ダンボール・バットはPM9:00過ぎの登場。

ライヴのお問い合わせは▼こちらのフォームからどうぞ。
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10月29日(土)@JR高円寺駅前南口広場
          「高円寺フェス」 PM14時~
http://koenjifes.jp/
毎年恒例の高円寺フェスに初参戦!!
ダンボール・バット初の屋外イヴェント!!

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11月5日(土)@高円寺GRAIN
※JR高円寺駅より徒歩2分。仲通り商店街入ってスグ右手。
1Fが「成都」という中華屋の2Fです。
http://grain-kouenji.jp/

DANBALL BAT企画
「爆裂!土曜音楽館3」
~香港とジョージアから来た男たち女たち~

共演:GEORGIA ON MY MINDS(Vo:コン カオリ)

開場PM7:00 開演PM7:30
料金:当日券のみ¥2000+drink代



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ダンボール・バットの最新アルバム
「壊れたカセットはAOR」
お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。
店頭になき場合は通販もいたしますので
お問合せください。

デイスクユニオン
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タワーレコード
名古屋市今池「ワイルドハニー」
京都市「100000tアローントコ」
沖縄「CD屋」の店頭&通販
京都「トランスポップ・ギャラリー」
東京・中野の「タコシェ」
高円寺「円盤」
JET SET RECORDHMV、他でも販売中!



    「壊れたカセットはAOR」/
ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)
全14曲(約1時間収録)/1500円+税/見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫
解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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