2015年12月7日月曜日

ウィーン少年合唱団が歌うムーンライダーズをBGMに、初恋の小学校の先生の横顔を記憶の水彩絵の具でなぞった夜。



▲新年1発目のダンボール・バットLIVEは、
1月13日(水)に大御所「シネマ」との2マンです。
詳細はブログの下です。




オレの耳の奥でムーンライダーズの「くれない埠頭」が静かに流れている。それもウィーン少年合唱団が天使のような声で歌っているのだ。
♪<残したものも/残ったものも/何もないはずだ/夏は終わった>と。
馬鹿馬鹿しい。残ったものは空虚だけだ。10年と2ヶ月の「懲役」を終え、11月いっぱいでとうとう会社を辞めた。「お世話になりました」と、こちらから挨拶に出向くような人間はもうほとんど辞めてしまっていたから、最後の日、オレは普段と変わらぬ素振りでそそくさと会社を後にしてきた。帰りがけに、人事を担当している顔なじみのオバちゃんに「社員証」を返却するために立ち寄ったのだが、なぜか自分の息子が昔ウツ病になってそれで引き篭もりになってその後いろいろあったけどなんとか今は結婚して立ち直って云々・・・といった話を唐突にしゃべり出すもんだから、呆気に取られてオレは苦笑いしながら黙って聴いていた。なんでこのタイミングでオレにそんな身の上話をするのか?と怪訝に思っていると、「ウツにだけは気をつけてね」と、オバちゃんは最後に一言念を押すように付け足した。そうか、オレがいかにも「ウツ」になりやすそうな人間に見えたのか?(笑) まあ、あながち外れていないから何も言えぬ。ご忠告ありがとうございます。せいぜい気をつけます。
会社を出た直後、うっかりして置き傘を忘れてきてしまったのに気がついたのだが面倒なので引き返さずにそのまま帰ってきた。どうせなら阿呆上司の机の上にバラの花一輪と時限爆弾の一つでも置き忘れてくるべきだった、と後悔した。
 ダンボール・バットの今年発売になったアルバム「壊れたカセットはAOR」のジャケット画を描いてくださった漫画家(「画家」と言ったほうがいいのだろうか?)の逆柱いみり先生の作品展示販売会が12月16日まで東京・青山の「ビリケン・ギャラリー」で開催されている。先生は、同じく今年発売になったヒカシューのアルバム・ジャケットの絵も手がけられており、ダンボール・バット、ヒカシューのCD、それに画集や、Tシャツ、トートバッグなどの関連グッズも併せて販売されている。オレは開催2日目にご挨拶がてら覗きに伺い、会場におられた先生と、たわいもない立ち話を3、40分して帰ってきた。展示されていた絵にはそれぞれ値段が付けられており高いものは十数万の値が付いていたが、まだ2日目だというのに、既に何枚か売約済みのシールが貼ってあった。ほほう、盛況じゃないですか、いみり先生。お金が無いお金が無いと常々おっしゃっていらっしゃるけど、素人が傍から見ているとそれなりに景気良さそうにみえるんですがね~(笑)、あきまへんか?儲けたお金でぜひ来年こそは「漏電銀座」(いみり先生がやってる3ピースのロックバンド。オレもへっぽこなSAXで1曲録音に参加させてもらいってます)のCDが完成することを期待しております。
思い起こせばオレも20代の頃は絵を描いていたなぁ。まあ、しょーもない絵ばっかりだったけど。エロ本の挿絵とかイラストレーターまがいなこともやっていた。いつから描かなくなっちゃったんだろう。音楽のほうにのめりこんじゃったからなぁ。写真なんかにもハマって、絵どころじゃなくなっちゃったんだよね。久しぶりに描きたくなったなぁ。でもね、いざペンを持って白い紙を前にすると何描いていいのか分かんないだよね。情けない。リハビリでもするか。
ギャラリーとかでさ、ちょっとした絵に数万円だの数十万円の値札が付けられているのを見かけたりすると、オレもイケるんじゃないかって思っちゃうのよ(笑)。この程度ならオレにも描けそうな気がする、と、浅はかな考えが頭をよぎる。もうこのまま音楽なんてやっていても先は無いしな、文章だの写真だの絵だの、とにかく多角経営で攻めないとな、これからは!!・・・などとワケの分からぬことを独りごちる。多角経営ったっていまだ何一つ収入に結びついていないじゃないか。まったく、オマエのやることはみんな中途半端なんだよ。どれ一つとってもまともな形になっていないではないか。トンチキめ。嗚呼、やれやれ。
 絵で思い出したけど、そういやガキの頃、木の幹や枝というのは、茶色でただベタベタと塗ればいいと思っていたオレに、そうじゃないんだと教えてくれた女の先生がいた。小学校の時の図工の先生で、名前ももう定かでないし顔もおぼろげにしか覚えていないがちょっと目つきがきついけれどキレイな先生だったように記憶している。木の幹も一見すればただの茶色にしか見えないかもしれないが実はいろいろな色が複雑に交じり合い溶け合い成立しているのだと、今ならアナタは南方熊楠ですか?と突っ込みを入れたくなるようなことをその先生はおっしゃった。赤や黄色や青や緑や白やいろいろな色を足したり引いたり混ぜたり重ねたりして塗ってみなさいと言われ、言われた意味も分からぬまま教えられた通りにオレはただ黙々と塗り進めたのだった。塗り重ね過ぎたせいで画用紙は弓なりに反り、水彩絵具を使っていながらまるで油絵のような仕上がりになってしまったその絵に、自分のそれまでに描いた絵にはなかった奥行きというか深みのようなものが生じているのを子供心にもなんとなく感じ取ったのだった。その後、オレはその先生の指導のもと何回か絵画コンクールで賞をもらった。対象物を目に見えている単一の色として判断するのではなく、単一の色を分解しその奥に潜んでいる目には見えぬ色を感じ取り自分の中で再構築してみるといった高度なことをオレはその女先生に教わったのだった。その時の教えがその後、「物」のみならず世の中のあらゆることを見る際のオレの中での視覚の判断基準になっているのじゃないかと今にしてみれば思うが、ちと大袈裟さか?その先生も、たしかその後転任だか退職だかされていつの間にかいなくなっちゃったんだよな。オレのちょっとホロ苦い思い出。もしかすると初恋だったかもしれぬ。え?ダメ?・・・っていうか、なんでこんなこと突然語ってんだ?これじゃ自分の息子の自閉症の話を自慢げに話し出した人事のオバちゃんと同じじゃねぇか(笑)。
 遠い昔のことを思い出したり他人に話したくなるときってさ、人間弱ってるときなんだよ(笑)。無職になってね、クソ労働から一時解放されホっとした反面、これからのこと考えるとね、とくに日の暮れるのが早いこの季節、夕方なんかになってカラスなんかがカァカァ鳴いてるとさ、ちょっと弱気にもセンチにもなるじゃない。昔ふられた女にもらった浅川マキのレコードのこととか、音信不通になっちゃたオカマの友だちのこととか、昔飼ってたオレによくなついてた死んだインコのこととか、よく通ってたけど潰れちゃった阿佐ヶ谷の汚い定食屋のこととか、そして、ガキの頃の図工の先生のこととか、どーでもいいこととかが浮かんでは消え浮かんでは消えするわけよ。人間の悲しいとこは、昔の記憶や思い出を金魚のウンコみたいにいつまでも後生大事に引き摺って生きることだって、オレの敬愛する岡本太郎画伯も言っておられるわけですが、いい歳してオレもなかなかウンコを断ち切れない阿呆の一人ってわけです。
まいったね。このままウツになって引き篭もり中年にならぬことを祈っていてください。またどこかでお逢いしましょう。生きてりゃいいことあるもんです。多分。
じゃ、保険の手続きとかあるんで区役所へ行ってきます。




追伸①:友人のミキさんが10月27日に行われたダンボール・バットの2時間半ライヴの模様をレポートしてご自分のブログで紹介されてます。こちらからどうぞ。「ミツキ・ミキのあばイズム」

追伸②:ボクの闇のピアノ弾き語りソロユニット「ネオン警察」(歌:AMI with ピアノ:MARI<from Black&Blue>)のライヴが来る12月23日(水・祝)にJR大久保駅前「ひかりのうま」で開催されます。対バンはなんとグランドファザーズの西村哲也さん。そして、ゲストとして大田譲さん(カーネーション)、熊谷太輔さんが参戦。約半年ぶりとなるネオン警察のライヴでは、書き下ろしの新曲をご用意。オレの完全一人弾き語りコーナーも冒頭にご用意。そして、この日の最大の見ものは、西村さん(G)、大田さん(B)、熊谷さん(Ds)という豪華布陣をバックバンドに従えて、オレが稚拙なノドを披露するというバチ当たりのような企画です。何を歌うかは当日のお楽しみです。オレのリクエストした曲目(3曲予定)に対し西村さんいわく「クラクラするような選曲ですね」とのこと(笑)。たしかにこりゃとんでもない選曲だぁ(笑)。ライヴ詳細は下記。




▼今後のライヴ情報詳細はもう少し下にあります。


通販のお知らせ
2000年前後に録音したデモ音源とライヴ音源計14曲(71分)を収録したCD-R「モンドセレクション」、同じく2002年~2003年頃に録音したデモ音源とライヴ音源計13曲(62分)を収録したCD-R「モンドセレクション2」販売中です。注文受けてからの受注生産です。古い録音によるチープな音源ですのでどうぞご了承ください。税込み各1000円。送料はサービスいたします。振込み手数料はご負担ください。ご希望の方はご一報ください。



















今夜のBGM



♪「ロンリー・プラネット」/ダンボール・バット
こんな古い音源今更どーしよおってぇの?1999年にリリースしたダンボール・バットのアルバム「永遠(とわ)のカクテル」に収録のコックニー・レベル+ハルヲフォン的グラムロッキンなナンバー「ロンリー・プラネット」。アルバムはひどいけど(笑)、けっこう気にいってるんだよね、この曲。今度の1月13日のシネマとのライヴのときに、約10年ぶりぐらいに再演しようかと思ってるんで、これ聴いて予習お願いします。



前売りのご予約お問い合わせはここをクリックして専用フォームからどうぞ



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ダンボール・バットのニューアルバム「壊れたカセットはAOR」、みなさんにはもう聴いていただけたのだろうか?お求めは下記の各サイト、店頭にてどうぞ。デイスクユニオンでは店頭・通販ともに特典が付く模様(右写真:缶バッヂとCD-R。なくなり次第終了)。アマゾンタワーレコード名古屋市今池の中古CD店「ワイルドハニー」さん、京都市の市役所近くの中古CD&古書店「100000tアローントコ」さんの店頭、沖縄の「CD屋」さんの店頭&通販でも取り扱い開始しました。また、京都「トランスポップ・ギャラリー」東京・中野の「タコシェ」ではCD及びオリジナルTシャツ販売中です。高円寺「円盤」にもCD入荷しました。JET SET RECORDHMV、他でも販売中!



             ニューアルバム情報!
「壊れたカセットはAOR」/ダンボール・バット
発売中!(2015.6.25発売)

全14曲(約1時間収録)/1500円+税/
見開き紙ジャケット/歌詞・ライナー付き
作詞作曲・録音・ミックス・プロデュース:AMI
ジャケ画:逆柱いみり
CD帯・推薦文:コモエスタ八重樫

解説:岡村詩野、湯浅学
寄せ書き:
小野瀬雅生(クレイジーケンバンド)、
大田譲(カーネーション)、ホッピー神山
ゲスト・ヴォーカル:
蒼衣スイミング、市場大介(美人画家)、
Miiss Donutfromアメリコ)<敬称略>






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▼今後のLIVE予定▼

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【ネオン警察(リーダーAMIのソロユニット)】ライヴ
12月23日(水・祝)
『駅前喫茶・番外地』

出演:
ネオン警察:AMI(VO+SAX+SYN+CASIO-TONE)
                 with MARI(PIANO from BLACK&BLUE)

西村哲也(fromグランドファーザーズ)with
ゲスト:大田譲(カーネーション)、熊谷太輔

スペシャルセッションコーナーあり!!!

JR大久保駅前「ひかりのうま」
(南口から徒歩10秒!)

PM18:30 開場 PM19:00 開演

¥2000+1d
※前売りはございません。当日ふらりとお越しください。






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2016年【ダンボール・バット】ライヴ
◆1月13日(水)
恵比寿クレアート(元ライヴ・ゲート)
共演:シネマ(一色進<ジャック達>、松尾清憲、他)
PM7:00開場 PM7:30開演
前売り\3000 当日\3500 +drink代




今後の予定・・・・

◆1月2?日@高円寺U-HA ※詳細確認中
◆2月11日(祝)@新宿JAM
        「キャプテン・トリップ・ナイト」
        共演:ケン・マツタニ・バンド、SISTER PAUL、他
◆3月19日(土)@大久保ひかりのうま
        「漏電バット」
        共演:漏電銀座(漫画家:逆柱いみりバンド)


ライヴのご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから。当日お昼まで受け付け!




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追伸:ダンボール・バットの告知・事務作業を手伝っていただける「ボランティア・スタッフ」募集中(ネット環境に慣れている方。)
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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト

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