2014年9月16日火曜日

80万円のライカのカメラに嫉妬しスターリンを罵りながらセーヌ河の藻屑となった馬鹿ヌーヴェルヴァーグの夜。

▲PHOTO by AMI


 なぎら健壱が、自慢のカメラを片手に下町を散策するブラ歩き番組をやっている。相当のカメラ・マニア(コレクター)らしく、毎回持ってるカメラが違う。番組の途中にはカメラについてのウンチクを語るミニコーナーまである。このまえなんか、80万円だかするライカのデジカメを自慢していた(奥さんにはバレると怖いので8万円で買ったとウソをついたと言っていた)。そんな80万のカメラでいったいどんなたいそうな写真を撮っているんだろうか?それに比べてオレの愛用しているカメラは中古で3千円で買った、ご存知、旧ソ連製のローファイなフィルム式カメラ「スメナ8M」だ。80万のライカの前ではカメラと呼ぶにもおこがましい、単なるゴミ以上オモチャ未満。カメラがいかれたのか、フィルムが不良品だったのか、巻きが悪かったのか、先日、せっかく撮り終わったフィルムを巻き戻そうと巻き取り用のレバーをクルクルとやり出すとすぐにレバーがうんともすんとも動かなくなってしまったのだ。しまいにはペンチまで動員してみたがテコでも動かぬ様子に仕方なく諦め、カメラの裏ブタを空けフィルムを強引に引っ張り出したのであった。当然、フィルムはその時点でオシャカ!!グルグル巻きになって俺の足元に転がる無残なフィルム。思わず、シット!!と、カメラに向かって中指立ててみたところで、旧ソ連時代の遺骸ともいえるそいつは、ボディの内部にヘンな思想を秘めたまま、ただただ冷徹に黙りこくっているのであった。スターリンのバカ野郎。
最近撮り歩いた写真を少々更新したので、マイ・ギャラリーも覗いていってやってください。こちらからウェルカム・・・<AMI‘sフォトギャラリー【印画都市】>

さて、我がダンボール・バットの只今制作中のアルバム「壊れたカセットはAOR」のジャケットの絵がもう出来上がってしまった。肝心の中身が完成する前に!!その絵を描いてくださった漫画家の逆柱いみり先生が、仲間の漫画家さん達と、10月にフランスに行くんだそう。詳しいことは知らないが、なんでも先方の美術館(?)だかなんかに招待されてのことだそう。マルセイユだって。スゲェーや。よく地名は耳にするけど、どこにあんのかさっぱり分からぬ。多分港町っぽいよね。夜ともなれば、腕に自慢の荒くれたヨッパライの船乗り連中がそのへんでゲロ吐いたり殴り合いのケンカしてんのかね?ジャック・ブレルとかの歌がどこからともなく聴こえてきたりして・・・。いみり先生、くれぐれも巻き添いにならぬようお気をつけくだされ。
そんないみり先生にオレは無理矢理頼みごとをしたのであった。ダンボール・バットのCDをどこぞのフランス人に手渡してもらえんでしょうか?と(笑)。先生はそんなオレの申し入れを快く引き受けてくれたのだった。ということで、前作「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」を10枚ほど先生に託すことになった。たぶん初めて海を渡るダンボール・バットのCD!!しかもヨーロッパ!!「バカ、バカ、ヌ~ーヴェルヴァ~グ♪」と日本語とフランス語のチャンポンで歌ってる曲をヌーヴェルヴァーグの本場(?)、地元フランス人が聴いたらどうなるんだろうか?と、想像しただけでも気絶しそう!!「美術館の人とかに渡せばいいの?」と、先生。「はい、美術館の人でも、美術館の掃除のおばちゃんでも誰でも結構です!!」と、オレ。「もし、CDが余ったらセーヌ川にでも捨ててきてください」とも付け加えておいた。いや、セーヌ川がマルセイユに流れているかどうかは知らない。いや、この際、セーヌ川だろうとマルセイユの魚臭い鉛色の海だろうと、フランスであればどこでもよい。そこで亡くなった人の霊への鎮魂の意味を込めて水中に投げ込まれる花束のように、「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」をそっと沈めて来てもらいたい。う~む、イキだねぇ。キザだねぇ。シャレてるねぇ。映画のワンシーンみたいだねぇ。そして、我が師、ゲンズブールやジャック・ブレルらの霊魂と、川底、あるいは海底のヘドロの上で、時代を超え言語を越え人種を越え我がCDは交合するのだ!!なんと壮大な、なんとロマチックな話ではないか!!ヘンリー・ミラーもボリス・ヴィアンもコクトーだってバタイユだってビックリだ。
苦節27年!!日本じゃ誰からも見向きもされなかった、全く評価されなかったバンドが、きゃりーぱみゅぱみゅに次いでフランスで大ブレイク!!・・・なんてことにならないと誰が言い切れようか。いや、まあ、あるわけないだろが、万に一つって可能性もないわけではない、と、かのホーキング博士なら言ってくれるに違いない。美術館の人の手に渡ったCDが巡り巡って巨匠・ゴダールん家のポストに届かないともかぎらない。ローリング・ストーンズ、リタ・ミツコに次いで、3つ目の“バンド物”の映画を撮ろうぜって話が持ちあがるかもしれない。それがゴダールの遺作になるかもしれない。もちろん、主役は我がダンボール・バット!!やれやれ、オレの妄想は止まらない。まさに「勝手にしやがれ!!」だ。おっと、「右側に気をつけろ!!」だ。

ここでさり気なくライヴ情報を。ダンボール・バットの次回ライヴは、10月28日(火)に渋谷ラストワルツで大御所(?)バンド「ジャック達」と2マン!!ジャック達は、シネマなどでも活躍されている一色進さんを中心に活動されているバンドで、ベースには現在、サポートとしてカーネーションの大田譲さんが参加されている。そもそもは、今年の7月に、神保町の「試聴室」で一色さんと大田さんのデュオ・ユニットのライヴで対バン(共演)させていただいたのがきっかけとなり、今度の2マンのお誘いを頂いたのだった。その時は、ダンボール・バットではなく俺のソロユニット「ネオン警察」との対バンだったのだが、ライヴ翌日の一色さんのブログに嬉しい記述があるのを後日知り、ひとり涙で枕を濡らしたのだった(ご本人に了解のうえ下に抜粋)。

しかし、ネオン警察は、そうとうイカレテましたね。
あういうことを、きちんと真面目にやるのって
けっこう難しいんですよね。
いや~、素晴らしかったね。


 たとえ、お世辞でもうれしい(いや、お世辞を言えるようなタイプではないな、一色さんという人は!!)。本家ダンボール・バット以上に輪をかけて全く評価されない我がソロ、ネオン警察!!暗いだの、地味だの、難解だの、なんやかんやと。まあ、言いたいことは分かる。批判も分かる。まあ、オレが好きでやってんだから放っておいてくれ、と、強がってはみても、たまにはイイ評価も聞きたいってぇのが人情ってもん。そんな折に目にしたのがこの一文だった。オレの荒んだ気持ちがほんの少し救われた瞬間であった。世の中捨てたもんじゃない、と。
 そんな、世間からは全く黙殺され、CDも全く売れていない(!)ネオン警察の久々のライヴが急に決まった。これが年内最後、いや、永遠に最後のライヴのような気がするのだ。死出の旅になるかもしない。だから、どうかお見逃しなく。対バンは、ネオン警察誕生のきっかけを作ってくれたと言っても過言ではない我が盟友にして暗黒シャンソン界の貴公子こと<蜂鳥あみ太>氏。実に去年夏の八丁堀は「七針」でのネオン警察レコ発以来の再会にして再共演!!しかも今回の会場は、ネオン警察が初めて人前で歌い演奏した懐かしいあの場所。新宿のはずれに昭和の頃からひっそりたたずむ「カールモール」(そのデヴューライヴをセッティングしてくれたのも、あみ太氏であった・・・)。そして、オレの相方で今回もネオン警察のピアノを担当してくれるのは、最近じゃTVに、ラジオに、本に、はとバス・ツアー(!)にと、その筋(“古墳”関連)では八面六臂の活躍を見せている<まりこふん>こと、おなじみBLACK&BLUEのマリ姉さん。情念がネオン街の路地裏のドブからチョロチョロとあふれ出ているようないつものネオン警察が夜の闇ん中でスタンバイ。アナタの来てくれるのを水道水の味しかしない薄い水割りをチビチビ舐めながら俺は待っている。ヤニ茶けたカベにかかっているアグネス・ラムの水着のカレンダーに、レジ横のピンク電話に、埃のかぶった造花の鉢植えに、映りの悪いTVに、俺は今夜も八つ当たり。キャバレェの名はたぶん、“北国”。
「ねぇ、ママ。水割りもう一杯・・・」 (ここでネオン警察、♪「キャバレェは雪国」が静かにフェード・イン・・・)










★今夜のBGM★
このムサっ苦しいジャケに騙されるな!!いや、でもせめて腋毛の処理はして欲しかった!!重層的で技巧的なコーラスワークにハッとさせられて気が付けば秋の夜長にタヌキと一緒にススキ野原でオレはバレエを踊っていた。アメリカのプログレバンドの名を挙げよ、と、「アメリカ横断ウルトラクイズ」で出題されても咄嗟に浮かばないが、しかし、アメリカにもこんなイナセなバンドがいたんですね。
♪DESIREE / FIRE BALLET('75)




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【お知らせ】
ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中(サポートOK)!お気軽にお問い合わせください。
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▼今後のイヴェント予定

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【ネオン警察(リーダーAMIのソロ)】ライヴ
10月21日(火)@新宿「カールモール
共演:蜂鳥あみ太=4号、他
ネオン警察:AMI<歌唱、ノイズ> with MARI<ピアノ>

※料金、時間等確認中!


【ダンボール・バット】ライヴ
10月28日(火)@渋谷「ラストワルツ」
共演:ジャック達(:一色進<シネマ>、大田譲<カーネーション>、宙GGPキハラ<ex面影ラッキーホール>、夏秋文尚<exチューインガム・ウィークエンド>)

PM6:30 OPEN / PM7:30 STRAT

前売予約¥3000 当日¥3500 (+各drink代500円~)


ご予約、お問い合わせは▼こちらのフォームから



12月7日(日)@渋谷「ラストワルツ」
「ニューウェイヴ天下御免・年末SP!」
※詳細未定


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
▼ディスクユニオン

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))


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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト


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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]  ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ---------------------------------------------------------------------------------- ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326    --------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新PV▼  「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)      ▼DANBALL BAT最新PV▼  「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」 /ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)      DANBALL BAT最新PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット (アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

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