2014年1月21日火曜日

押すな押すなとアイドルファンと殴り合い!?UFO-CLUBがNYパンクに沸くCBGBに見えた夜。

あんな満員のお客の前でライヴをやるのなんて何年ぶりだろう?もうかれこれ12年ほど前になろうか、かのクレイジーケンバンドのイヴェントに呼んでいただき渋谷の「AX」で二千人ほどの観客の前で「カラオケ」(!)でダンボール・バットのオリジナル曲を歌った、あの時以来ではなかろうか(これまた随分のごぶさた!)。まあ、あの時と今回ではケタが全然違うにせよ、ライヴやイヴェントをやるたびに毎度毎度閑古鳥が1万羽ほど鳴いている侘しいUFO-CLUBのホールが人いきれでムンムンとむせかえり、押すな押すなの大入り満員で前売チケットもソールドアウト!!ひえェ~っ!!毎回こうだといいんだけどねぇ~。オレの人生、もうこの先二度とねぇ~だろうなぁ~こんな動員は。と、一人虚しい感慨にふけってみたりして・・・。
ああ、スミマセン。なんの話しかっていうと、先日、東高円寺のUFO-CLUBで開催した、恒例の雑誌「トラッシュ・アップ!!」とウチのバンド「ダンボール・バット」との共同企画ライヴイヴェント【ニューウェイヴ天下御免】の話。毎回ほぼ赤字でもなんだかんだですでに6回目。ただし今回はUFO-CLUBの開店18周年記念月間の一環としての新春SPヴァージョンだったのだ。いつもは4組程度の出演者なのだが、今回は夕方5時スタートで全8組が出場。獅子舞あり、アイドルあり、バンドありのバラエティに富みすぎる出演陣を詰め込むだけ詰め込んだ「トラッシュ・アップ!!」の屑山編集長の作戦も功を奏したか、結果は吉に。満員のホールを見渡しホッと胸やら尻をなでおろす編集長とオレだった。
さて、わがダンボール・バットは5番目の出場だった。それも前後をアイドル・グループ二組にサンドイッチされての登場。今回のイヴェントのお客の半分以上はかのアイドル・グループの追っかけファン連中だと聴いていたので、こりゃまたやりづれぇなぁ、どうしてくれようか、まあ、ロックの「ロ」の字もどうせ分からないような連中だろうし反応なんて望むべくもないだろうから淡々と演奏をこなしてそそくさと引っ込むまでよ。逆に「野次」とか飛んでくるかもしれないな。まあ、そん時は殴り合いよ!!と、わけの分からぬ勝手な妄想を膨らませつつ半分開き直りながらも腹をくくってステージへと躍り出たオレだった。
冒頭畳み掛けるようにアップテンポの2曲をメドレーでぶっ込んだ後のMC。ついさっきまでキャピキャピしていたアイドルのステージの後が、こともあろうにダンボール・バットとは!!ご愁傷さま。満開のお花畑に生ゴミ、或いは焼夷弾を撒き散らすようなもんだ。せめてサカナクションもどきのような或いはバンプ・オブ・チキン風情のそういう系統の今時っぽいバンドだったら分かり易かったのかもしれないけれど、あいにくウチのバンドは時代も国籍もジャンルも超越(?)した得体の知れないサウンドと胡散臭いヴィジュアルが売り。当然、「なんじゃ、こいつら!?」と、アイドル・ファンの連中はアンポ口開けたまま静まり返っているわけ。で、こっちもアフリカの未開人を前に演説する宣教師のような心持でMCをやるわけ。お互い手探り状態。いつにない緊張感。が、その後オレがMCで何を言ったのかはもう忘れてしまったがドッと笑いが2発、3発と起こり、その後、会場の空気が一気にほぐれ出したのだ。それから後のお客の反応はオレの当初の予測を180度ひっくり返す驚きのものだった。オレのMCに対していちいち反応。オレも調子に乗り客をアジる。すると客もまたアジり返してくる。とにかく今回は持ち時間も少ないし、客の反応も予想がつかないからMCは一切やらないくらいの心積もりでいたのだ。が、その予定が大幅に崩れ、肝心の歌詞は間違えるくせに、MCでのオレの舌のすべりは絶好調。徐々に会場は盛り上がり、暴動寸前に。70年代末期のニューヨークのCBGBといったハコでは毎晩きっとこんな熱気に溢れたやり取りが客と演者の間で行われていたのではないかと、客席の前列にいたなぜかバズコックスのTシャツ着たオッサンの顔に、CGGBで演奏するコントーションズやらブロンディらの幻影が一瞬ダブって見えたのだった。
アイドルのステージ中にファン連中が曲のリズムや節回しに合わせて「ウォー!!」とか「セイヤ!!」(一世風靡セピアか!?)といった野太い掛け声をかけている光景を観たことあるでしょう?当然、ウチの前にやったアイドルのステージ中もみんな一丸となって威勢のいい掛け声をかけていた。オレも冗談半分で「ウチも親衛隊が欲しいねぇ。ああいう掛け声どんどんやってもらっていいから!!」と客を煽ると、本当にウチの曲でも勝手にやり出した!!なんだろう、この人たちのノリのよさは!!そして、ステージのラストに用意した暗黒大陸じゃがたらのカヴァー「タンゴ」に至っては会場が掛け声とも怒号とも地獄からの叫びともつかないカオス渦巻く半トランス状態に(笑)。この熱気に煽られ、若輩者のオレが歌う拙い「タンゴ」も、きっと天国のアケミ先生のもとに心地よく届いたのではないかと思う次第(この白熱の「タンゴ」演奏の模様は、後日動画にてご紹介します)。
ここでオレはアイドル・ファンに対して土下座して謝らなくてはなるまい。屑山編集長からは「アイドルのファンはイイ人が多いですよ」と言われてはいたのだが、どお「イイ人」のか分からなかった。が、今度のライヴで納得した。実にノリのイイ人たちばっかりだった。しかも、気さくでジェントルだったりもする。アイドルのファンにしておくのはもったいない人たちだ。雇ってウチのライヴの際の「さくら」にでも使いたいくらいだ。普段ライヴハウスにたむろしてるスカしてるだけの「ロック」なお客連中にも見習ってほしいもんだヨおっかさん。
 まあいずれにせよ楽しいイヴェントだった。たかが30分程度のステージであんな達成感を感じたのは久しぶりだったし。バンド冥利に尽きるとはこういうことか。大阪から駆けつけてくれたヰタ・セクスアリスのグラマラスなステージやら、相変わらずピリリと引き締まった演奏に痺れたYOU GOT A RADIO!も最高だった。オレの日々のクサクサとした気分も一時的とは言え吹っ飛んだ。
ちなみに、この日のオレの衣裳は黒いツバ付きの帽子にまん丸のサングラス、フリルの付いたドレスシャツにタータンチェックのジャケット、と、アイルランドかどっかの田舎町の場末のパブで演奏してる冴えないパンク野郎風情。ガムをくちゃくちゃ噛みながらワインの瓶を片手に気分だけはイアン・デュリーのつもりだったのだが、果たして・・・。100均で買ったアイシャドーやチークもバッチリ入れた。最近は、ステージ中ノってくるとサングラスを無意識で外すときがある。その時のためのメイクだ。昔はステージでサングラスを外すなんてこっ恥ずかしくて有り得ないことだったのだが。自分の中で何かが変ってきたのだろうか?(笑)。リハの時も、スタジオの壁に備え付けてある姿見なんて昔はろくに見たことなかったのに、最近は歌っているときのポーズや動きをその鏡でチェックするようになった。どうしたオレ?バンド歴27年目にしてやっと芽生えたプロ意識!?遅いんだよ、ド阿呆。いざ地獄へ。

イヴェントに出演していただいたアーチストの皆さん、ご来場のみなさま、ありがとうございました。次回「ニューウェイヴ天下御免」は4月頃の開催予定です。


※今夜のBGMはライヴ情報の下です。



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次回「ネオン警察」(リーダー・AMIソロ)
ライヴ情報

唄とピアノによるシンプルな演奏の中にもアーバンな情念が渦巻く、ダンボール・バットのリーダー・AMIによる闇のソロユニット「ネオン警察」久々のライヴ!!
カシオトーンを凶器のように弾き語る「碧衣スイミング」との2マン!!
ゲストは、なぞの前衛デュオ「地中海」!チケットは当日券のみです!

3月1日(土)
@高円寺「円盤」にて
http://enban.web.fc2.com/
PM7:00開場 PM7:30開演

AMI(ダンボール・バット)企画・・・
【夜、ネオン・スイミングの夜】

出演:
ネオン警察
(AMI:VO、SAX、テルミン/MARI:PIANO<from BLACK&BLUE>)
碧衣スイミング
(碧衣スイミング:VO、カシオトーン)


オープニングゲスト:
エーゲ海
(ししはら慎太郎+嶋田真由美<from TRASH-UP!!>)

料金:1500円(1d付き)※当日券のみ

お問い合わせは▼こちらのフォームから
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P39590588


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★今夜のBGM

かつて「江戸の黒豹」と歌ったのは杉良太郎。こちらはロンドンの黒豹。
「ミッドナイト・サマー・ドリーム」/ストラングラーズ('82)





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【お知らせ】
ダンボール・バットでは女性キーボード奏者急募中(サポートOK)!
お気軽にお問い合わせください。
こちらから▼
http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P39590588


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▼リーダーAMIのソロユニット「ネオン警察」1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
▼アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DBEFLVK/
▼ディスクユニオン
ttp://diskunion.net/portal/ct/detail/IND12849

2013年7月27日発売/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))






◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM
 
▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』  ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード ▲2012年1月31日発売▲全11曲(約42分)収録 ▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー) ▲ジャケット写真&デザイン:常盤響▲ライナー:岡村詩野&湯浅学 ▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷) ▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略> ▲収録曲 「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲 ▼下記各オンラインショップにて販売中! [AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス] ※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。 ----------------------------------------------------------------------------------   ■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326  --------------------------------------------------------------------
▼DANBALL BAT最新PV▼   「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)    ▼DANBALL BAT最新PV▼  「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)    ▼DANBALL BAT最新PV▼ 「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)  
 
  

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