2013年3月12日火曜日

痴漢電車でイギーとボウイに「NO、FUN!!」と責められた夜。


 それはチンパンジーではなくって、イギー・ポップだった。イギー・ポップみたいなチンパンジーともいえるが。それにしてもなんなんだろうこの満面の笑みは。ヤクのやり過ぎか、新興宗教で解脱したのか、ロボトミー手術されてクルクルパーになっちゃった?いずれにせよイイ顔のジャケです。デヴィッド・ボウイがプロデュースしたイギーの77年のアルバム『ラスト・フォー・ライフ』を最近よく聴いている。昼間の奴隷農場(会社)での昼飯時などにこのアルバムをヘッドフォンで耳から出血しそうな大音量でかましていると、自分の置かれている「現実」がホントつくづく嫌んなります。「ヘトヘトにコキ使われて神経すり減らすばっかりでロクにカネにもならねーそんなゴミ仕事今すぐブン投げてこっちへ来いよ!!」と、あのジャケの笑顔がオレを誘惑します。「クソっ!!イギーっ!!オレを“そっち”の世界へ連れて行ってくれよ!!」と心の中のもう一人のオレがムクっと立ち上がり、何年か前にトレイン・スリッパだかトレイン・スポットライトだか忘れましたがあるイギリスのクソ映画のテーマ曲だかなんだかに使われて有名になっちゃった1曲目の血肉沸き踊るズンドコドラムに煽られて会社の社員食堂のド真ん中で思わず上半身裸になってガラスの破片がバラ巻かれた床に「NO!FUN!!」と血文字でしたためその上をゴロンゴロンと北朝鮮の兵士のようにのた打ち回りたい衝動にかられます。
 そもそも、それほど興味があったわけでもないイギー・ポップ。そんなイギーのアルバムを聴くようになったのは、当然ボウイが絡んでいるからという不純な理由から。で、まず先に聴き始めたのが同じ77年に出た前作『イデオット』だったわけです(こっちのジャケの謎のポーズもイカしてますな!いつかこのジャケのパクリ・ジャケも作ってみたい)。確かにやっつけ風情な荒っぽい作りではありますがあちらこちらにボウイ流の美学のようなものが滲み出ていて好きになりました。アルバムん中では、電気ムチで打たれながら白目むいて脱糞しているような♪「ファン・タイム」、後にボウイが自身のアルバムでも取り上げるエキゾチックなラヴソング♪「チャイナ・ガール」が特にお気に入りです。こと♪「チャイナ・ガール」での崩壊しながら高揚してゆくタガの外れたアレンジの妙は端正なボウイ・ヴァージョンが紙っぺらのように聴こえるほど美しいものです。
 というわけで、もっぱら『イデオット』ばっかり聴いていたオレですが、最近、急に『ラスト・フォー・ライフ』の素晴らしさにも気付いたんです。『イデオット』がどこか人工的で密室的でチカチカと今にも消えそうな地下鉄のホームの蛍光灯の下で見るオカマのヌードのような趣に対して、『ラスト・フォー・ライフ』は肉感的で腰がすわっていて人情味を覗かせながらブリーフ1枚で白昼のスナックでやさぐれているといった趣の好対照な2作品。結論から言えばどっちも好きなわけですが、それにしても同じ年に同じプロデューサーで同じ場所(ベルリン)で録音したのにもかかわらずこんなに違った表情のアルバム(しかも傑作!!)が出来上がるとは実に興味深いものです。この短期間の間に二人・・・イギーとボウイの間に一体どんな葛藤や励まし実験やら衝突があったのでしょうか?きっと我々凡人の考えの及ばぬ壮絶なやり取りがあったのでしょう。ベルリンの壁に朝夕頭を打ちつけながら血を流しギターアンプはヘロイン漬けでドラムセットは炎上しマイクの穴からはミミズがニョロニョロ這い出し見上げた太陽は緑色で・・・。そんなラスト・フォー・ライフな情景が目に浮かぶようです。
 そんな折、とんでもない記事をネットで見つけました。「1970年代の西ベルリンを舞台に、デヴィッド・ボウイとイギー・ポップの伝説のコラボレーションを描く・・・」という見出し。「英米を代表する2大ミュージシャン、デヴィッド・ボウイとイギー・ポップの伝記映画『ラスト・フォー・ライフ(原題)』が製作される。・・・1970年代、2人がともに過ごした西ベルリンでの伝説のコラボレーションを描くもので、『大統領暗殺』のガブリエル・レンジが監督。英音楽誌『MOJO』元編集者のポール・トリンカによる、ボウイの評伝『Starman(原題)』とポップの評伝『Open Up and Bleed(原題)』等を参考に、脚本家ロビン・フレンチが執筆する。」と記事の内容はそれだけで公開時期を含め具体的な詳細は全く不明ではありますが、これはまさに『イデオット』や『ラスト・フォー・ライフ』制作当時の舞台裏を覗き見られるというファンにとっては驚愕の映画。当時の貴重なフィルムや関係者へのインタヴューなどを交えてのドキュメンタリー形式になるのか、それとも、イギーとボウイに無理矢理似せた俳優が演じるションボリ感満載のパチもん映画なのか?いずれにせよ、これはかなり観てみたいですな。是非、日本での公開もよろしく希望。そん時は、映画館の受付で『イデオット』のジャケのポーズをキメたら300円引き、とかのイヴェントなんてどうでしょう?よろしくNO FUN!!
 
 さて、話変わってオレの「ネオン警察」名義のソロアルバムのリリースに向けた動きでありますが、ノロノロと進行しております。今回もCDのライナーをお願いしている日本が世界に誇る音楽ライター、岡村詩野さんからも間もなく原稿が上がってくる気配です(そして、CDの帯にはアノ著名なミュージシャンの方からのナイスなコメントが間もなく到着予定!!一体誰なの!?)。
 そして、只今CDのブックレット部分に使う写真を撮りにあちこちと出歩いておるところです。おとといも、新宿駅の南口のほうにある古い映画館・・・ロマンポルノばっかやってる新宿国際なんとかって映画館を思い出し、その前で撮ってみようかと仕事帰りに立ち寄ってみたのですが、あれれ?・・・確かこの辺にこの前まであったはずなんだけど、っていう場所には白い板で囲いが出来ていてその前にはジュースの自販が並べられておりました。まるで臭いものにフタでもするかのように。クソっ!!一足遅かったか!!と、週末の新宿、阿呆面さらしたカップルやこれから飲みにでも繰り出そうってな軽薄そうなサラリーマンらが行き交う路上で独り放心状態のままその場に立ち尽くしたのです。ここについ先日まで映画館があったなんてこともう誰も気にもとめていないのでしょう。「親友の妻 密会の黒下着」(!)だの、「痴漢天国 乳揉み車内」(!)・・・そんな味のある手書きの巨大な看板ももうこの場所で目にすることはありません。それにしてもまさか潰れるとは!!そういえば、数年前、新宿駅南口のその近くにあった東映などの往年の仁侠(ヤクザ)モノとかばっかりをやっていた映画館もいつの間にか潰れていたことを思い出しました。いくら時代の流れには勝てないとは言え、なんとも世知辛い世の中だな、と、改めて感じ入った次第であります。さようなら黒下着。南無。

追伸
次回、3月24日(日)の東高円寺UFO-CLUBでのダンボール・バットのライヴですが、DJも加わり、さらにバンドが1バンド増え、全6組に!!当バンドは5番目でPM9:10頃~の出番です。キーボードレスになったダンボール・バットですが、次回もパンクスピリットを懐に、快調にぶっ飛ばします。お楽しみに。前売り予約は当日のお昼(12:00)まで受け付けております。下記「ライヴ情報」の項の専用フォームよりお気軽にどうぞ。

----------------------------------------------------------------------------------



▼今夜のBGM▼
本盤をして“早過ぎたポスト・ロック”などという陳腐な野菜炒めのモヤシのヒゲの例えにもならないような賛辞をどこぞのCD屋の店先で目にした。どうせどこぞのガキが書いたんだべ。なんですか?ポストにロックって。たしかにこの当時においては先鋭過ぎた感はありますが泣く子も黙って寝小便を垂れる元ディス・ヒートで太鼓叩いてましたって肩書きで納得でしょう。ヘイワード氏の繰り出すハイハットの一音一音が電気カミソリの刃の鋭利さでたるんだ腹の薄皮を剥かれる痛みが快感に変る夜の三日月は半分凍っていたのかもしれない。 ♪WORKING NIGHTS / CAMBERWELL NOW('92)

----------------- -----------------------------------------------------------------


■次回「ダンボール・バット」ライヴ情報

2013年3月24日(日)
東高円寺・UFO-CLUBにて
【或る夜の出来事】
★開場:PM6:00  開演:PM6:30
★前売り予約:2000円、当日:2300円 ※いずれもプラスドリンク代(500円)要

DJ:イクマンテ
★ライヴ出演者(以下出演順に・・・)
①アクサンテギュー(from 前肩)
②アベ・ジュリー(exデキシー・ド・ザエモンズ)
③ソフトレスラーズ
④郷ひろし&友美
⑤ダンボール・バット(PM9:10頃~)
⑥BARKINS
チケットのご予約はこちらからお気軽に!!

※チケットの予約をしたものの、当日急用等でお越しになれない場合、その際のご連絡は不要です。また、キャンセル料金等も一切派生いたしませんのでお気軽にお申し込みください。
※お名前、枚数を明記の上、上部、専用フォームからお申し込みください。折り返し、ご確認のメールを返送いたします。

----------------------------------------------------------------------------------
■次回「ネオン警察」ライヴ情報
※リーダー・AMIのソロユニット
2013年4月6日(土)
八丁堀・七針にて
空のネオン段ボールは突然警察の幸
★PM7:00開場 PM7:30開演
★当日のみ(前売りナシ)2000円 ※ドリンク、軽食持込OK!!
★ライヴ出演(以下出演順です)
①海の幸(突然段ボールのメンバーによる別ユニット)
②ネオン警察(AMI:Vo/テルミン/SAX、MARI:PIANO)
③突然段ボール

----------------------------------------------------------------------------------



▼ネオン警察1stCD「空間の犯罪」発売告知PV
2013年6月発売予定/全10曲(42分)/¥1200+税/歌詞付/
CD「帯」推薦文:直枝政広(カーネーション)
解説:岡村詩野(音楽評論家)/
ライナー寄書き:蔦木俊二(突然段ボール)、
屑山屑男(「TRASH-UP!!」編集長)
ジャケット写真:AMI/デザイン協力:嶋田真由美(「TRASH-UP!!」デザイン室))

----------------------------------------------------------------------------------



◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


----------------------------------------------------------------------------------
▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM


▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード
▲2012年1月31日発売 ▲全11曲(約42分)収録
▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI
▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付
▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー)
▲ジャケット写真&デザイン:常盤響
▲ライナー:岡村詩野&湯浅学
▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田
▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷)
▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略>

▲収録曲
「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲

▼下記各オンラインショップにて販売中!
[AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]
※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。
----------------------------------------------------------------------------------
 
■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326

--------------------------------------------------------------------

 


▼DANBALL BAT最新ライヴ映像V▼
「ファッション革命」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」収録曲・2012年2月16日レコ発イヴェント時の映像)


▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)

 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿