2012年8月28日火曜日

フリチンでデートリッヒと風に吹かれてピアノを弾き語った夜。


 本家のバンド活動・・・「ダンボール・バット」のことです・・・が、どんどん尻すぼみになっていくのと反比例して、今年の春頃からひっそり活動を開始したオレの“やさぐれピアノ弾き語り”ソロ・ユニット「ネオン警察」の活動がにわかに活気付いてきました。バンドの曲作りそっちのけでソロ用の曲がどんどん出来始め、セルフ撮影でPVまで作ってYOU-TUBEにUP。知人でもある音楽ライターの岡村詩野さんがDJを担当している葛飾区のコミュニティFM(9月一杯で番組終了らしいッス)のデモ音源募集コーナーに冷やかしで1曲送ったところ早々に番組内でその音源が紹介され絶賛。「ダンボール・バットより好きかも」とまで言わしめ、ちょっと複雑な気持ちに駆られるも、この9月にダウンロード販売のみでリリースされるという同番組制作によるコンピレーションにも収録されることが決定(詳細は後日)。
 そして、ついに、先日、念願の「ネオン警察」の初リハーサルが実現。近所のスタジオへ緊急出動!!バンドのリハとは違った緊張感の中、ノドを枯らし、爽快なアブラ汗を垂れ流してまいりました(この時の模様は、日記の下の「今夜のBGM」でご覧ください)。このユニット、基本的には、オレの歌とピアノの伴奏のみという、普段やっているダンボール・バットでのグラムロックや80sニューウェイヴや昭和歌謡などに影響を受けた大所帯のロック・バンド形態によるエンターテイメント性重視のギラギラあるいはゴテゴテとした過剰な世界とは間逆の、簡素で質素でストイックな中にもキレがある老舗の和菓子のような、あるいは己の中の宇宙と静かに対話する禅の教えに通ずるような演奏スタイルでより内省的な世界の探求を目指したユニットであります。ダンボール・バットが「陽」なら、ソロは「陰」といったところでしょうか。このソロをやるにあたって念頭に置いた、参考にした、何らかの影響を受けたアーチストとしては、アレックス・チルトン、ティム・バックリー、レナード・コーエン、ジョン・ケイル、ギャビン・フライデー、ダグマー・クラウゼ、ジャック・ブレル、クルト・ヴァイル、浅川マキ、早川義夫、矢野顕子、などなど、と、とりあえず錚々たる名前を挙げてみましたが、オレの勝手な妄想を多分に含んでおりますのであしからず。
 さて、本来は自分でピアノを弾きながら歌えれば最高なのですが、今のところ、弾き語られるだけの技量も度胸もないため(自宅で音源を制作する分には「多重録音」を駆使してピアノと歌を別々に録って後で重ね合わせればいいだけですが・・・)、もしライヴをやるとなれば、やはり誰か信頼できる女房役のピアノ奏者が必要だな、と、かねてから心当たりを探していたのですが、ダンボール・バットのライヴでケバいメイクとギラギラの衣裳で妖艶な毒を撒き散らしているコーラス嬢のMARI(マリ)が、実は、元々自身のソロ・ユニットでピアノの弾き語りをやっていてその腕を密かに買っていたオレはダメモトで彼女に相談したのでした。すると意外にも快諾。彼女も自身のニューアルバムのレコーディング等で多忙を極める真っ最中だのに、無理を言って当面オレのソロごっこに付き合ってくれることになり、それで、先のスタジオでの初お手合わせとあいなったわけです。有難いことです。
 いやあ、それにしても、ピアノ1本をバックに歌うなんて小学校の音楽の授業でチビリそうになりながら歌わせられた歌のテスト以来。まして、自分の作ったオリジナル・ソングをピアノ1本バックに歌うってのはバンド歴四半世紀にしてやっぱり生まれて初めての体験。あたりまえですが、バンドだと周りの音に紛れてある程度自分の稚拙な歌唱も誤魔化しが利くわけですが、ピアノだけじゃ誤魔化しもクソもありません。小澤征爾の耳元でフリチンでベートーヴェンの第9を歌うようなもんです。そこへいくと、やっぱり矢野顕子とかって凄いんだな。と、彼女の初期のピアノの弾き語りなど聴くと思うわけですが、今まで馬鹿にしてたけどアンジェラ・アキも意外と凄いのかな。ニッキー・ホプキンスにエルトン・ジョンに「あなた~あなた~」とピアノよりデカそうなカラダで悲恋を歌った小坂明子や柔道着のままピアノの鍵盤に乗っかってつま先立ちで「ネコふんじゃった」を軽々と弾いちゃった「柔道一直線」の近藤正臣に至ってはオリピック金メダル級だな、とか。あん?何の話だっけ?まあ、とにかく、今までバンドの音というオブラートでくるまれていた屁のようなオレの歌、歌唱力がムキ出しんなって赤裸々に白日の下にさらけだされるわけです。熱せられたアスファルトの上で干からびそうになりながらのた打ち回っているミミズをこの前近所で見かけたのですが、オレがピアノ1本で歌ってる姿は案外それに似たような光景かもしれません。
 で、いざスタジオへ入ったはいいがオレもMARIも最初はお互いに手探り状態。上半身はタキシードでビシっとキマッているのに下はズボンも履かずにゆるゆるのフンドシ一丁で股間がスースーするような心もとない感じがしたものですが、熱いディスカッション、ピアノ越しのなぐり合い、腹を割った人生相談等々を交えつつ改良を重ね何度かプレイを重ねるうちに徐々に息も合いコツもつかみ2時間あっというまに過ぎ、終る頃にはお互いヘトヘトになりながらも一定の手応えを感じたような次第であります。いずれにせよバンドでは味わえない新鮮でスリリングな自分を試されるような体験でありました。
 ということで、早くも年内に「初ライヴを実現する是!」という無茶なスローガンをおっ立てて周囲の知人らに吹聴しているところであります。まだ、曲が4,5曲しかないというのに。いや、もうこりゃ予定を先に組んじゃってやらなきゃダメって状況に追い込まないとオレのようなおよび腰の阿呆はダメだなと。早急にあと2,3曲作って、カヴァーも何か1曲入れたいところだし(クラフトワークの楽曲から日本の民謡のカヴァーまでもを検討・物色中)、もしかしてダンボール・バットの曲も1曲ピアノでリメイクしてとか、あとはオレも何か楽器持ってピアノとのバトル・・・リップ・リグ&パニックのようなインチキ・フリーJAZZみたいなのも合間に挟みつつ、ピアノをバックにポエトリー・リーディグ(詩の朗読)で気分はバロウズかギンズバーグってのもありかな、と、妄想は膨らむばかり。
 以前の日記で「バンドの曲作るより楽しいかも」、と、暴言を吐いたことがありますが、ほんと、次々に曲が出来るような錯覚に陥っている今日この頃です。しかし最大の悲しいことは、オレが曲を100曲作ろうが1000曲尻の穴からヒリ出そうがティッシュ1箱、ブラックサンダーチョコ1個買う金すらろくに産み出せないというジレンマです。井上陽水なら1曲で家が建つかもしれません。Bzなら1曲でジャガーが2,3台買えるかもしれません。音楽でメシ喰おうなんてトンマな幻想は100万年前に捨てましたがせめて自分のCDを定期的に自主制作してゆけるぐらいの、ちょっとしたボロ機材を買えるぐらいのカネを産み出せるようになりたいもんです。切ねぇーなー。・・・なんて、薄い水割りをすすりながら場末のバーのカウンターでクダ巻いてたら、カウンターの向こうのママ・・・全身黒尽くめの浅川マキがタバコふかしながら長いツケマツゲを時々ピクピクさせて「アンタ、まだまだ甘いわよ」とオレに向かって言うでもなくボソリ一言。「ひえ~っ」と震え上がるオレ。そして、バーの隅っこの取ってつけたようなろくに照明もないような狭いステージの上では調律の甘いピアノの伴奏に乗って地獄から生還したかのような声で誰か女が歌っている。曲はディランの「風に吹かれて」。よく見りゃ唄ってんのはマレーネ・デートリッヒと来たもんだ。風に吹かれろ、フリチンで、ってことか?!ガッデム。


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▼今夜のBGM▼
というわけで、日記の通り、ネオン警察の初リハ潜入映像です。ガッデム。
♪冬の蠅/ネオン警察(2012)



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ダンボール・バット
【NEXTライヴ情報】
9月7日(金)
 新宿・WILD SIDE TOKYOにて
http://ws-tokyo.com/
(最寄り駅:地下鉄都営新宿線・メトロ丸の内線の「新宿3丁目」駅。
旧・新宿厚生年金会館向かい)


【御苑花園、倫敦(ロンドン)=パリ祭】
      ~グラム・シャンソンの夕べ~
■開場:PM18:30 / 開演:PM19:20
※当ダンボール・バットはPM20:50頃~の出演予定
■出演(出演順に)>
①ムジカ・カラス
②オナン・スペルマーメイド
③ダンボール・バット
④蜂鳥あみ太=4号 feat.蜂鳥スグル&佐藤真也(ピアノ)
※最後に出演者らによるフィナーレ・コーナーあり

蜂鳥あみ太=4号・主催によるグラムロックとシャンソンの饗宴!
ロンドンとパリが新宿でギラっと交合。アンドロギュノスな一夜を!

前売り¥2500(+1drink代)


ご予約はここをクリックして専用フォームからお名前、枚数を明記の上どうぞ!
※前売りご予約の際は、お名前と枚数を明記の上、上記の専用フォームからお申し込みください。追ってご確認のメールを差し上げます。

※前売りの予約をしたものの急用等で当日お越しになれない場合でも、キャンセル料等は一切派生いたしませんのでお気軽にお申し込みください。




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急募!
★AMIのソロユニット<ネオン警察>始動に向け、ヴァイオリン奏者募集中。年齢性別国籍テク不問。男女年齢不問。お気軽に!
 

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被災地支援コンピレーション・アルバム【PLAY FOR JAPAN 2012】参加のお知らせ・・・・
音楽配信サイトのOTOTOY企画制作による被災地支援コンピレーション・アルバム「PLAY FOR JAPAN 2012」のVOL.3にダンボール・バットも新譜から1曲参加させていただきました。3月11日よりダウンロードのみによる販売となります。売上金は日本赤十字社を通じて被災地へ寄付されます。詳しくは下記サイトを参照ください。ご協力おねがいします。
http://ototoy.jp/feature/index.php/2012031101

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◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/

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▼ダンボール・バットNEW ALBUM告知CM


▲『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』 ▲品番:TSR69002/発売:東京産業レコード
▲2012年1月31日発売 ▲全11曲(約42分)収録
▲録音・ミックス・プロデュース・作詞作曲:AMI
▲W見開き紙ジャケ仕様/歌詞カード付
▲CD帯コピー文:ROLLY(ローリー)
▲ジャケット写真&デザイン:常盤響
▲ライナー:岡村詩野&湯浅学
▲寄書き:白井良明(ムーンライダーズ)&サミー前田
▲ゲスト・シンガー:ジョン<犬>&イライザ・ロイヤル(エコダムド/ex穴奴隷)
▲サポート・コーラス:MARI(BLACK&BLUE) <以上・敬称略>

▲収録曲
「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」「ファッション革命」「滿民の敵」「シュトラウスは夜に殺せ」「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」「狩人だから」、他全11曲

▼下記各オンラインショップにて販売中!
[AMAZON][TOWER RECORDS][DISK UNION][楽天ブックス]
※ディスク・ユニオン(インディーズ・コーナー)、タワーレコード新宿店、タコシェ(中野ブロードウェイ内)等の店頭でも販売中。
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■「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」全曲高音質ダウンロード販売開始!特集記事も読めます。こちらから!(提供:OTOTOY) http://ototoy.jp/feature/index.php/20120326

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▼DANBALL BAT最新ライヴ映像V▼
「ファッション革命」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」収録曲・2012年2月16日レコ発イヴェント時の映像)


▼DANBALL BAT最新PV▼
「ドライ・フルーツ、ドライ・サン」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「アポカリプス・ドゥ・オア・ダイ」/ダンボール・バットfeat. イライザ・ロイヤル(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)



▼DANBALL BAT最新PV▼
「シュトラウスは夜に殺せ」/ダンボール・バット(アルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」より)

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