2011年10月24日月曜日

シド・バレットにビンタされた夜。



この1年間にオレが消費した「湿布」を並べると直線にしてその距離、東京・大阪間にほぼ匹敵。この1年間にオレが消費した「CD-R」を積み上げるとその高さ、サンシャイン60にほぼ匹敵。あ、これ、この1年間続けてきたダンボール・バットのレコーディングの話です。東京・大阪間にサンシャイン60は大袈裟にしても、肩・首・腕・腰・尻、etc、疲労で痛む体のあちこちに毎晩のように湿布を貼りつづけのべにすれば2~300枚は軽く消費しているハズ。同じく今回レコーディングに使用している録音機材(ヤマハの16trハードディスク・レコーダー)がめっぽう旧式のため、データ保存は毎回いちいちCD-Rに焼かなければならず、そのために消費したCD-Rは軽く5~600枚に。まったく全てがキチガイ染みたレコーディングだったわけですがその地獄の行軍も先週終了。オレの鬼のようなオーヴァー・ダビング&編集作業に旧式機材が悲鳴を上げ何度もフリーズし、最初の1台目が途中でオシャカに。2台目に乗り換え作業を続行するもそのうち今度は使う側のニンゲンが(オレ!)あやうくオシャカ寸前に。メンバーも途中入れ替わり、納得ゆかぬドラムを2度録り直し、その後かの3.11の震災、そして、続く余震に怯えながら、猛暑の夏には冷房の無い部屋で熱中症の危険と闘いながら、そして日々昼間の奴隷仕事でクタクタんなった体にドリンク剤の過剰カフェインでムチ打っての深夜までの作業の連続は、けっして大袈裟な言い方ではなく、夏の終わりとともに死んでゆくセミたちを横目に、まさに命がけ発狂寸前の作業でありました。オレのつまらぬ「クソ意地」だけがこの1年間の苦行を支える原動力でありました。そして、今、この1年間の苦しみがピンク・フロイドの♪「クレイジー・ダイヤモンド」のヒンヤリとした冷たいストリングスの響きに乗って走馬灯のように流れてゆきます。もう少しこのキチガイじみた作業を続けていたら間違いなくオレはシド・バレットに逢えていたかもしれません。そして、この1年のレコーディングで習得したことが二つ。一つはきちんとリズム・キープの取れるドラマーを使えってこと。とにかく最初の1,2ヶ月間、ヘッポコなドラムの編集・修正作業に泣かされ、後々のレコーディング・スケジュール全てに影響が出る結果に。結局その後メンバーを入れ替え録音し直すハメになったわけです。そして、学んだもう一つの事は、マスタリング業者選びは慎重に!ってことです。血と汗の結晶の音源が最終段階のマスタリングでゴミにも宝石にもなるってことを今回実感しました。まあ、ウチの場合、元々の音源がショボイので「宝石」はちょっと言い過ぎですが、とにかく業者によって仕上がりは雲泥の差。今回、危うく胡散臭い業者に引っ掛かりそうになりギリギリのところで回避。その後あちこちの業者をネットで吟味の後一箇所に絞り、先週銀座くんだりにまでマスタリングに行ってきたのですが、対応も良く、結果的にイイ仕事をしていただきホッと安堵しているところです。別に業者からお金もらっているわけじゃありませんが、マスタリングを考えている方、こちらの「東京録音」の立会いマスタリング、参考になさってください。最近ではフリクションや遠藤ミチロウやズボンズなんかもここでマスタリングしたみたいです(もちろんウチが10年近く前に出した因縁のアルバム「未来ブティック」もここでマスタリングをしたわけですが・・・)。
http://www.trc-studio.jp/price/index.html

さて、肝心のアルバムの出来具合ですが・・・
って、実はちょっと今日はもうクタクタというか眠くてキーボードを打つ指にも力が入らない状態です。「眠るな!眠ったら死んでしまうぞっ!パシッ!パシッ!(ほほをビンタする音)」とよくドラマの冬山での遭難シーンで見るような状態でして、さっきからシド・バレットに右ほほを引っ叩かれている状態なんです。レコーディングが終ったとはいえ、リリースに向けた煩雑な事務作業がまだまだ山積しており今はそれらに追われている状態です。まさに“馬車馬”状態。ヒヒ~ンと一鳴きしたところで、続きはまた次回。こりゃまた思わせぶりな終り方で失礼します。

・・・高円寺のクレイジー・ダイヤモンドより



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▼今夜のBGM▼
フランス人の「パンク」と言えば、オレの中ではゲンズブールの生き方そのものが「パンク」に他ならないのですが、一般論的なスタイルとしてのパンクをこんなトンガッたスタイルで当時実践していたバンドが“おフランス”にもいたんだと最近知って笑撃、いや、衝撃を受けたわけです。スーサイドとコント赤信号の邂逅。ノー・ニューヨークよりも早過ぎたフランスからの回答ならぬ忘年会での余興にしてはカッコ良すぎ。
♪PANIK / Metal Urbain('77)


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◆ダンボール・バットの待望のニューアルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」は11月末発売の予定でしたが延期になりました。
◆ダンボール・バットでは、イヴェントへの出演依頼、サポート女性コーラス兼ダンサー等随時募集中。お問い合わせはこちらから
◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/


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▼DANBALL BAT最新PV▼
滿民の敵(PUBLIC ENEMY)/DANBALL BAT feat. JON(犬)








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LIVE at UFO-CLUB(TOKYO) on 12.6.2011








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