2011年6月26日日曜日

尻のことは尻に訊け。



買い換えました。我が家の「宅録部屋」で使っているイスを。去年から続いてる連日連夜の自宅での過酷なレコーディング・編集作業はオレの尻にも過度の負担を掛け続けており、日によっては宅録部屋のそのイスに座るだけで尻(尾骶骨の周辺)に鈍い痛みを感じる始末(医者行けよ・・・)。たかが宅録、されど宅録。まさに日々命を削るようにカラダを張って戦っております。昨今の宅録ブームで宅録人口は相当なものと想像されますが、みなさん、尻痛くなったりしないんでしょうか?機材うんぬんの話はよく聞きますが、尻痛の話はとんと聞きませんが、オレだけ?本当は新しい楽器(シンセ)をクレッジット100回払いくらいにして買おうか迷っていた矢先。しかし、こんな状態じゃ楽器もクソもなく、作業に集中できねぇーべ、ってことでまずはイスを買い換えることに。低反発クッションだのいろんなものを敷いたりもしたのですが効果なく、座るのがツライんなら、いっそイスなど使わず“空気イス”もあり?と、アホな考えを思いつくも、あいにくそんな強靭な足腰は持っておらず、結局、ホームセンターに行き、立ったり座ったり押したり引いたりそこいらじゅうのイスをさんざん物色し自分の尻と財布と相談した挙句、現在使っているものより座面のクッション性が優れゆったりした座り心地のイスを大枚1万円で購入。イスに1万円とは今日明日死ぬか生きるかの貧民街ミュージシャンにとっては贅沢至極!。それにしてもです。ガラクタとゴミと得体の知れないモノであふれかえりスモーキー・マウンテンと化してるこの宅録部屋を見渡せば、楽器(らしきもの)はあちらこちらに顔を覗かせているものの、どれひとつとっても1万円以上出して買ったモノが無いってどういうこと?あん?楽器よりもイスの方が高い・・・。泣けてくるよオッカサン!!

さて、その「ダンボール・バット」のレコーディング。ついに最終録音工程となる自分の歌録りに先日挑戦してまいりました。いつも使っている近所のリハスタに個人練習で予約を取り機材を持ち込みこもること3時間。当然誰もいない部屋の中、機材をセットし、マイクを立て、100均で買い求めたパンストと針金で作った手製のポップ・ガード(風除け)をガムテープでマイクスタンドに固定、さらにムードを出すため部屋の照明をぐっと暗くし(これ大切!)録音レヴェルを横目で見ながら自ら録音ボタンを押し・・・・・。ノイズ防止のため録音中はエアコンも切らなくてはならないのでただでさえ汗だく。そのうえこれが本番かと思うとヘンに肩に力が入り、各曲(全部で6曲)4テイクずつとは言えほぼ3時間、体も神経もMAX集中力の連続フルスロットル状態で録音半ばで疲労困憊。ライヴの心地イイ疲れとは真逆のヘンな疲れが襲い、途中声は裏返って出なくなるは軽い脳震盪(のうしんとう)に見舞われるは、と、汗とヨダレにまみれながら木村カエラだとか野宮真貴ならレコーディングん時も涼しい顔してサラっと歌って汗の一滴もかかないんだろうなとかどーでもいいことを考えたりしながらこんな七転八倒しているぶざまな姿なんて人には決して観せられないな(観られたくないな)、「機(はた)を織っているときは決して中を覗かないでください」と言った『鶴の恩返し』の鶴の気持ちがわかったような(?)とにかくそんな状況に置かれている自分がなんだか可笑しくアホらしく腹立たしく思えてくる始末。ここがオランダなら合法的に麻でも吸いながらヘラヘラんなって録音すればリラックスしたイイ歌が録れるのかもしれませんがここは日本です。そういうものを吸ってはいけません。とりあえず目の前にあるぬるくなったポカリスエットをアルコール代わりに一気飲みしスタジオのマーシャルアンプに一発ケリを入れ気合を入れ直すも時間ばかりが過ぎてゆき、やがてリングにタオルが投げ込まれあっと言う間に試合終了。一戦を終えヘトヘトんなって家に戻って冷静に録った歌を聴き返してみれば、案の定、全体的に「力み」過ぎていてこれをOKテイクにするのはちょっと無理ですがな、とプロデューサーでもあるトッド・ラングレン(オレ)。さらに、録音の際にマイクに通した真空管のプリアンプをオーヴァードライヴし過ぎてしまったようで声のザラついた触感も耳につく。これには隣に居合わせたアンディ・パートリッジ(オレ)も渋い顔。巨匠二人を前にオレはただただ萎縮するのみ。とりあえず、今回録ったテイクはほんの一部を残し早々にゴミ箱に葬り捨て、問題点を反省しつつ、今週、再度孤独のリングに再挑戦する所存。スタジオだとどーしても上手くいかねぇーって言うんなら自宅の風呂場でも便所でも。まあ、とにかくやるしかありません。もう、賽は投げられたのだから。たとえ尻痛に悩む尻の骨が砕けて足腰立たなくなろうとも、たとえ身包み全部剥がされてフリチンになろうとも、レコーディングという名の魔の“ルビコン川”を渡りきらなければならないのだ。




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【ダンボール・バット情報局】

次回ライヴ:2011年8月14日(日)
@東高円寺UFO-CLUBにて
※詳細未定

◆待望のニューアルバム「馬鹿ヌーヴェルヴァーグ」地獄のレコーディング快調!
今夏完成予定。秋までにはなんとか発売予定!

◆ダンボール・バットでは、出演依頼、ファンの方、
サポート女性コーラス(経験者)等随時募集中。お問い合わせはこちらから

◆ダンボール・バット公式サイト
http://danballbat.cside.com/

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▼今夜のBGM▼
手前味噌であいすみません。「ダンボール・バット」の先日のライヴの映像より1曲お届けします。SAX練習した甲斐ありました。SAXを初めて手にしてから十数年経っていますがまともなメロディを吹いたのは今回が始めて(!)。多少の音程の誤差はお許し下さい。ジェームズ・チャンスのシルバー・メッキに憧れて買ったメイド・イン・チャイナの5千円の中古SAXです。<ボロは着てても心は錦>と、むかし水前寺清子が歌ってはりました。楽器も値段じゃおまへん。心だす。ちなみに自作のこの曲、敬愛するイアン・デュリー師匠に勝手に捧げた曲でもあります。だもんだから、後半のR&R部分は師匠の歌う♪「スウィート・ジーン・ヴィンセント」を参考にこんな展開になったんであります。大英帝国万歳!
♪「ボン・ボヤージュ(朝から機嫌のイイ奴なんて信用できるか)」/ダンボール・バット

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