2011年3月4日金曜日

渚にてヨダレなど垂らしております。

「渚にて」って新曲が出来ました。新曲と言ってもほぼインストみたいなもので、この曲をライヴでやるとして、はて、メンバーが演奏する曲の間中手持ち無沙汰なオレはなにをやっていようかな(笑)、と。タバコでもふかしながら客席の後ろの遥か遠くのありもしない水平線に目を馳せるが如くただボんやりと突っ立っていようかとか、意味の無いフランス語を曲の最後の最後にボソリと一言つぶやいておしまいにしようかとか、なんなら汝ナンチャラカンチャラと片手に持った聖書でも重々しく朗読しようかとか・・・。と、まだ考えがまとまっていないのですが、物は試しと、先日のバンドのリハの際に久々にトランペットなどをスタジオに持ち込んで吹いてみたのです。曲の後半部分の崩れるようになりながら少しずつ盛り上がる部分で、DUBっぽい効果を狙いながらついでに下手糞っぷりを隠すため長めのデレイ(エコー)をかけたマイクに向かってプププ~とやったわけです。おお、なんか、1980年頃のヨーロッパ系のインディー・レーベル・・・こと、クレスプキュールだとかクラムド・ディスクあたりから12インチシングル1枚だけ出してひっそり消滅してしまったバンドのようなそこはかとない佇まい(笑)。悪くない。しかし、問題はオレのトランペットがまったく言うこときかないということ!!どんなにこめかみの所に青筋立てて吹こうが音程がほとんど変わらない。ピストンの指の押さえ方をどんなにパコパコ変えようがほとんど音が上下しない。そのうち唇はつりそうになりヨダレまみれになり血管切れそうになり、しまいにはプヒ~っ!と豚のいななきみたいな素っ頓狂な音が出る始末。オレのトランペットはフリーJAZZだからこれでいいのよっ。浅川マキの「ストレンジャーズ・タッチ」での近藤等則、或いは、リップ・リグ&パニックでのドン・チェリーみたいなもんだからさ、って言ったところで説得力まるでなし。クズはクズ。カスはカス。今更ながらサックスもまともに吹けない阿呆が更に高度なトランペットを操れるわけもなく、どこぞの音楽教室にでも2,3回ぐらい通って自称プロに教えを請えば音を出す最初のコツぐらは多少なりとも盗めるものなのか?と、大真面目に新宿駅周辺の音楽教室をネットで検索する始末。が、そんな自称プロに金を出す余裕も今は無く、結局、まずは手始めにと、楽器店で売っていた一番安い1000円の教則本を買ってお茶を濁してみた次第。そして、教則本を買って二日目にして、ドレミファソラシド「らしき」ものが、この際マイルス・デイヴィスに土下座して1000歩譲らせてもらった上での話しですが、辛うじてドレミ・・・と認識できる「モノ」がハエの屁のような異音と大量のヨダレとともにオレのトランペットの先から噴出。「らしきもの」とは言え生まれて初めてトランペットでドレミを吹いたわけです。ご存知のように、トランペットと言う楽器は押さえる所(ピストン)が3つしかありません。一つの抑え方で口の形やら息の量などを調節することで全く違う音を五つも六つも出さなきゃならないというキチガイ地味た楽器です。飽きっぽい上に根性のないオレですから、一週間後にはもうトランペットが押入れの奥で他の大量の不燃物ゴミと一緒に眠っている情景を思い浮かべる事は容易いことですが、ここはひとまず、安いコーヒーなどすすりながらヨダレにまみれ今日も一人プライベートレッスンとキメこみます。そう言えば、さっき、この部屋から遠く霞んで見える三軒茶屋方面の景色の中に一瞬マンハッタンの超高層ビル群の幻が見えたような気がしました。マンハッタンの喧騒、立ち昇る水蒸気、行き交うイエローキャブのカーラジオから聴こえてくるのは、Oh、マイルス!!あなたがここに、いて欲しい・・・。



▼今夜のBGM
地獄の沙汰もカネ次第。1分10秒辺りで発狂。邦題「悪魔天国」(笑)。ブリティッシュ・ハードロック史に残る珍曲にして迷曲の一つ。阿鼻叫喚の地獄絵を意味も無く分厚いトランペットの重奏隊で演出。ヴォーカルのエイドリアン・ガーヴィッツは後にハードロックとは180度違うおしゃれなAOR業界で活躍。
♪悪魔天国('69年)/GUN



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