2010年12月21日火曜日

今夜はセ・シ・ボン。

  敬愛するセルジュ・ゲンズブールの写真集(日本語訳版)がつい最近発売に。タイトルは「馬鹿者のためのレクイエム」。それを先日偶然高円寺の駅前の本屋で見つけて知ったのですが、定価が3000円もするシロモノで、いつも千円札数枚しか入っていないシミッタレたオレの財布と相談するまでもなくその日は断腸の思いで店を後にしたわけです。ところが、夕べ、自分のゴミ部屋のゴミの山をほじくり返していると、以前知人から頂いたまましまっておいたJCBのギフトカードが都合よくというかまさにこの本を買えと言わんばかりにちょうど1000円券が3枚、つまり3000円分が出てきまして、しかも新宿の大型書店ならコイツが図書券同様に使えると言うのを知り、本日さっそくゲットしてまいりました。オマケのポストカードを始め、初めて眼にするクソッタレな貴重な写真の大量掲載に卒倒。さらに写真と写真の間には本人の挑発的な発言の数々が散りばめられており、こちらもイチイチ失禁しそうになりながらむさぼり読んでいる始末。ページとページの間から今にも紫色のジタンの煙がモクモクと立ち昇ってくるような濃厚な1冊であります。

表紙をめくると冒頭、真っ黒なページの最下部にポツンと一行だけこんな発言が・・・

    
          「煙草を吸う、酒を飲む、女を抱く。正三角形だ。」
                              by S.GAINSBOURG


・・・オレにはあと500年かかっても言えない。ありがとう、JCBギフトカード!



 

  さて、当バンド「ダンボール・バット」の新ドラマーが決まった事はだいぶ前にお伝えしましたが、地獄のレコーディング作業と並行しながら、一方スタジオではその新ドラマーを加えてのこれまた地獄のリハーサルを密かに開始しておりました。ご存知のように新ドラマーは女のコでありますが、これがまた非常に小柄で華奢(きゃしゃ)な体型でいらっしゃいまして、ドラムなんか叩かせたらその場で全身バラバラに壊れちゃうんじゃないかって見ているこっちがドキドキしちゃうくらいなんですが、ところがドッコイ、外見なんてあてにならないもので、カノジョが叩き出すサウンドは中々に強力なんであります。特に昨晩のリハは、何か吹っ切れたのか、今までは単に遠慮して叩いていたのか、なんとも目を見張るものがありました。重心は低く力強く無駄がなく安定したキレのあるサウンド。バスドラムのドスンッという心地イイ低音が腹に来る。あん?ここのスタジオのドラムの音ってこんなに良かったっけ?と自分の耳を疑う有様。さすが、天下の「つのだ★ひろドラム・スクール」出身の肩書きは伊達ぢゃありません(そこは触れなくていいから・・・笑)。例えるなら、名匠スティーヴ・リリーホワイトが手掛けたXTCの代表作「ブラック・シー」('80)あたりのあのドラムを生で聴いているような錯覚さえ起こしそうになったぐらいですからボク、って言ったらちょっと誉めすぎですか?誉めすぎですね。スミマセン。年明けのライヴの予定など全然ないのですが、いやはや、今からステージが楽しみであります。あ、そうそう、ちなみにカノジョのステージネーム、命名させていただきました。全く何の縁も所縁もないんですが、なぜかピンク・フロイドの1st収録のアノ代表曲のタイトルがふと思い浮かびまして、その一部を拝借。その名も「エミリー・プレイ(EMILY-PLAY)」。シド・バレットの幽霊に怒られそうですが、どうぞ世露死苦哀愁。





「最後の女か最後の煙草か、どちらかを選ばなければならないなら煙草を選ぶよ。だって捨てるのが楽だから。」
                               by S.GAINSBOURG


・・・オレにはあと1000年かかっても言えない。ありがとう、JCBギフトカード!






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▼今夜のBGM
実は「メロトロン」という時代錯誤な楽器が奏でるストリングスの音って今まで好きじゃなかったんです。でも最近知ったこの曲の、このイントロを聴いてオレの頑なな心は氷解しました。砂に浸み込む雨粒のような、どこか遠くで燃えている藁(わら)の焦げる匂いのような音色に。

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