2010年11月26日金曜日

オレのピンナップス。

  おととい、「ダンボール・バット」のレコーディング第3回目。ギターのオーバー・ダビングを家の近所のスタジオに機材を持込み、ウチのギターのサムソンと二人で引きこもること約5時間、決行してまいりました。第1回目にドラム、第2回目にベース、と、録音を重ねてきたわけですが、実は未だに、第1回目に録ったドラムの編集・・・平たく言えば「修正」作業に追われております。何度も何度も聴きかえしているうちに、プレイの不安定な箇所、音質の不具合箇所などがあちらこちら耳についてくるようになり、こう見えても無類の凝り性&完璧主義のボクちん、それが気になって気になって仕方なく、その調整を来る日も来る日も行っているのですが、これがまた、100分の数秒単位の根気のいる発狂しそうな編集作業でして、PCの大きな画面を使っての作業ならいざ知らず、自分が使っているロウテク録音機材はと言えばカマボコの板の半分くらいの大きさしかないチマチマした緑色の液晶画面しかなく、そいつと四六時中にらめっこしなければならず肩こりは勿論、眼の重度の疲労から吐き気をもよおすは、視界はチカチカ、これはたまらんってことで最近じゃ家ん中だっつうのにサングラス着用して作業しています。ホント参っちゃいます。まあ、そんな苦労までする目的は只一つ。どうせ出来上がるCDはヘッポコな出来損ない息子に違いない。とは言え、出すからには少しでもまともな物を出して世に問いたいという当たり前の親心(ここでの「まともな物」とはオレの中にある「基準」(許容範囲)をクリアしているかどうか)。そして、例えその差が髪の毛一本程度のわずかな差であれ前作より一歩でも半歩でも抜きん出たい、というのは表現者たる者誰しも持っているあたりまえの衝動ではないでしょうか。中でもオレが今回心血を注ぎたい部分は音質やミキシングの面。特にその中でもアマチュアには難しいとされるドラムの音!なんとかもう少し「ましな」音にならないもんかっ!!と、日々悶々と試行錯誤の真っ最中であります。前々作のCD「未来ブティック」は制作費にン十万かかたのかは承知していないのですが、プロも使う都内某スタジオにて豪華プロツールス(代表的な音楽ソフト。当時はまだまだ一般人で使っている人は少なかった)を使ってプロのエンジニアによる鳴り物入りのレコーディングだったわけですが、いざ出来上がったものは到底納得の行くものではなく・・・特に素人がミックスしたようなドラムの音はなっちゃいなかったわけで(演奏側のプレイにも問題が無かったとは言えませんが)、仮にもそれで飯を喰っているこれがプロのエンジニアの仕事か?と、センスと力量を疑ったわけです。ギターのサムソン共々いまだにあの時の不満をずっと引きずっているわけで、今回のオレのレコーディングに対するキチガイのような執念は、ひいては、あのCD、あのエンジニアに対するオレの挑戦のようなリベンジのような要素もあるわけです。片や、PCも一切使わず、わずか16トラックのオンボロ・ハードディスク・レコーダーに、レコーディング費用たったの2万円弱!で、どんだけの音が出来るのかっていう・・・もう意地ですね、最後は糞意地だけがオレの原動力です。それとオレの音楽に対するひねくれた愛(笑)。愛がオレを、愛が世界を、突き動かす。

久々に引っ張り出してきて聴いているデヴィッド・ボウイの全曲他人の曲のカヴァーによるアルバム「ピンナップス」。ミキシングのヒントやアレンジ面での様々な斬新なアイデアが詰まっていることを再発見。1973年という古臭さを全く感じさせない素晴らしいサウンド。ブっとくてキレがある。音のすき間に汁気と宇宙がある。

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