2010年11月9日火曜日

夜の針葉樹林。

 

 闇の中から能無し、役立たず、社会のクズ、そんな声が聴こえたような気がしてハッとして顔を上げれば窓の外はおろか部屋ん中も真っ暗。虫も寄って来ないような小さなテーブルスタンドの灯りの下で、レコーディングのチマチマした編集作業に没頭しているうちに時間の立つのも忘れ、たまった疲れも相まってついウトウトしていたところです。そう、まさにオレは能無し、役立たず、社会のクズ、だ。オレは一体なにをやっているんだ?こんな所でこんな時間に。こんなことをやり続けて何になるんだ?なんの意味が?!(もちろん人生、物事に「意味」など無いことは知っています・・・ブコウスキーの諸作で学びました・・・)あん?と、ふと我に返り、毎度毎度のしみったれた自問自答がまた始まる。手に持った産経新聞がまったく似合わない、日本の経済にミジンコの鼻くそほどにも何の影響も及ばす心配のなさそうな毎朝電車ん中で見かけるさえない顔したサラリーマンのほうが、それでもオレより100倍は社会に貢献し、社会の中で「立派」に生きているのだろう。つまりオレはミジンコの鼻くそ以下ってことか?

 まあ、いい。さあ、そんなつまらない事を考えるのはもうやめよう。この部屋からは遠く三軒茶屋あたりの高層ビルの赤い常夜灯が星のように点滅するのがわずかに見える。部屋の窓ガラス越しの闇に覆われた空虚な夜の空をボケーっと観ているとついつい感傷的な気分にもなる。いつの間にか疎遠になってしまったり連絡も取らなくなった(取れなくなった)古い友人の顔などを思い浮かべたり・・・。
 
 闇。闇。闇。夜の闇。人間なんて偉そうな事言ってても電気も火もない闇の中じゃ10分と生きてゆけないんだろうな、なんて無力なんだろう、と、意味もなく遥か遠くユーラシア大陸の夜の針葉樹林の森の中に一人置き去りにされオオカミの遠吠えに怯える自分を想像してみたり・・・。
 
 腹が減ったことに気づき手元にあったシケった柿の種をボリボリ喰う。目薬をさす。またこれから再開しなければならないチマチマした編集作業に少々うんざり気味。その前にレコードでも聴こうかな。じゃ、マキさんでも。




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